Invader ....07

















「へい、犯罪者の娘っ」
「そのキモノ高価なものらしいな。泥棒して儲けたお金で買ったのかい?」


スリザリン生は、聞こえるようにに言っていた。
僕等が対抗しようとすれば、は静かに服の裾を掴んで僕達の動きを止める。



、悔しくないのかよ!」

少し声に力を入れながら言う。


「言わせておけば良いじゃない。下等生物と関わる自体嫌。どうせなんか言ってもまた言ってくるんだから・・・エサをあげる必要なんてないわ」
「だけど・・」
「それに、この着物は学校支給で毎年頂けるの。しらないくせに言うって恥ずかしいことなのにね」


は強かった。
なにを言われてもなにもしない。


でも、強がらなきゃだめな 状況に置かれてたのかな。




だから、の強がる姿が見たくなかった。



「ハリー??」
「なんでもないよ」
「私、なにも言ってない」
「あ・・・ま、まぁなにも言ってないよ」


墓穴。


「最近、ハリーはばっかりみてるからな」

腹立つことに、真横でロンが言う。肘でロンを殴りながらもは顔を傾けて僕を見つめる。




「いや・・あ・・・なんでもない!!」
「ハリーは緊張してるのよ。に"ホ"の字だから」
「ハーマイオニー!!」

ハーマイオニーはニヤニヤしながら、に耳打ちを続ける。耳打ちのくせに、音量はでかい。



を毎日探しては近付いてくるしね。まぇ話しかけようとしてずっと追いかけて女子トイレに入ろうとしたんだから」
「あやうく痴漢しかけたのよ」
「あれは違うよ!! の・・頭にゴミがついてて・・・・」
「その前には櫛でといてたから、ゴミなんか付く訳ないでしょ」
「つ・・・付いてたんだって!」


多分、っていうかもう分かりやすいけど。
そしたらがニッコリしながら僕に近付く。

「ゴミ付いてたんだぁ・・。早く取ってくれればいいのに! でも、今はハリーの方がゴミ付いてるよ? 眼鏡かして」


の手が近付いてきたと思ったら、眼鏡を盗られた。
目の前はぼやけていて、だっていう事は判断できるけど、顔はぼやけて見える。



「ほら、眼鏡のレンズ汚れてるよ?」

着物からハンカチを取り出して、綺麗に拭く。
僕の目線からみたら、の横顔と、首元、襟足、少し開いている胸元。


「ほら・・ハリー、出来た・・・ちょ・・・・ハリー、大丈夫!?」



僕は、不覚にも鼻血を出してしまった。


「ハリー! なに想像してんだよ!」
「違・・勝手に出てきて・・・」


恥ずかしい。
穴が入ったら、入り込んで出口を砂で隠して、その中で死んでしまいたい!!

こんな姿、ハーマイオニーならまだしもには見られたくない。


恥ずかしすぎる・・・!!




「ハリー、とにかく座って!! 上を向いて、血を止めるんだ!」


ロンが僕を引っ張りながら近くの椅子に座らせる。
そして、首の後ろをトントントンと叩く。


「ちょっと!! だめよ、ロン!!」


はすぐさま僕に近づけて、僕の頭を掴み、上を向いていたはずなのに急に下を向かせ、鼻をハンカチで軽く押さえた。

「鼻血が出てる時に、上を向くなんてだめよ。首の後ろを叩くのもタブーよ。血を飲んだりしたら吐き気がしたりするし、首を叩いたら気持ちが悪くなるだけ! 出てるときは出させて落ち着くまでまつか、小鼻を10分ぐらい圧迫してたら治るから。あと、冷えたタオルとかあればいいんだけど・・・」


僕にハンカチを押さえつけながら、おもむろに扇子を取り出す。



『 " 冷水、出現せよ!! " 』

僕達には聞きなれない言葉で、発する。
そうすると、扇子の先からコップ2杯分ぐらいの水が出てきて、丸くなり、宙に浮いている。



「ワーオ」

ロンはただ驚いて、ハーマイオニーは目を丸くして水を眺めている。はハーマイオニーからハンカチを貰い、その水に浸けて、僕の鼻に当てた。



「なんで水?」
「冷やして、血管を細くして出血の量を減らすの。一年生の時に、『看護』っていうのが必須授業で、授業とか呪文練習の時に怪我をしても周りが助け合えるようにって習わされてるの」
「へぇー! ホグワーツではそんなのないぜ?」
「簡単な止血ぐらいしか習わなかったわ。」

「ハリー、大丈夫?」
「大丈夫だよ・・・ごめん、ハンカチ・・血で汚れちゃった」
「いいのよ。鼻血で大変だったのに、そんなんでハンカチの事をいちいち気にしてられないわ。ハリーの方が優先よ」


僕の近くで、僕の背中を摩りながら言う。



ロンとハーマイオニーは一応、医務室に行ってくれた。

2人っきりだ・・ そう思うと、なんか余計に鼻血がブワーっと出てきそうで怖い。
僕どんだけピュアなんだよ・・・。



「おさまった?」
「多分・・」
「でも、まだハンカチは押さえてて?」

「ごめんね。こんな恥ずかしい所見せちゃって」
「なにが恥ずかしいの? 私だって幼稚園の頃は朝起きたら枕が血だらけだった事もあるし、映画中を見てる時に出たこともあるわよ?」

フフッと笑いながら、は僕の肩で手を止めた。


「それに、ハリーと2人っきりなれて良かった」
「…え?」
「だって、2人っきりだと、誰にも邪魔されない感じあるじゃない?」


それがどういう意味なのかは、さすがに僕でも分かった。
だけど、それが合ってるのかは分からない。





「僕も・・・でも、2人っきりだとなんか・・緊張しちゃうね」
「そうね。でも初めてだから、なんかとってもスリルがあるわ」
「スリル? 僕はハーマイオニーと一緒にいても、別にそういう風には思わないけど・・」
「日本ってまだまだ外国みたいに、男女平等の意識が低いのよ。あの学校なんて特にそう・・・男子がすべて先。そんな考え持っている人のほうが少ないのに。だから恋愛もだめー、何々もだめー、ってホント、うざいぐらいよ。だから、こんな風に男の人の隣に座る事自体が久しぶりって感じなの」

「男性の一歩後ろを歩く ってハーマイオニーが『日本解読書』を読みながら言ってたよ」
「『日本解読書』!? なにそれ!」
「外国人からみた、日本人の変な所が載ってる本らしいよ。日本って島国だから、未だに他国民をみると驚くらしいね」
「あーそういうのあるかも・・」


僕は鼻血を押さえてて、話す内容は日本について。

ロマンチックなんて、とてもじゃないけど言えない。
だけど、幸せだった。

「ロンが一番嫌がってたのは、字に書く順番がある事だよ」
「そっか・・・ないんだ・・」
「英語なんか各々が好きなように書くしね。読めれば充分って感じなんだと思う。でも、書く順番って面倒くさくない?」
「先生が言ってたけど、書く順番がちゃんとしてないと、その文字のバランスが悪いらしいわ。でも、たまにいるわよ?『なにその書く順番!』って思うような人」



その笑う顔がとても可愛かった。



清楚で、穢れなんかもしらないような肌は綺麗。 とっても。






愛されてるっていう自信はないけれど、君が愛しい。君の癖も愛しい。


君が僕の肩に置いてる手に、どうしても神経が集中してしまう。




思い上がってもいいですか・・・??
























思い上がっちゃえよ、ハリー!! って思いながら、終了。
長くなりますね、この連載も(涙

すいません・・。まとめられないし、パッと終わらすと、なんか寂しいしで続いちゃいます。



日本解読書は多分現実にはありません(キッパリ
ただし、「ここが変だよ日本!」的な本は結構ありました。
一度読んでみたら、なるほど! となりますよ(`・ω・´)


感想お待ちしております♪

 管理人、 ai