Invader ....03







私の学校では、いつも御寿司だの刺身だの天ぷらだの で飽き飽きしていたこともあって、
パンやシチューが高級品のように思えてしまう。

しかも、とてつもなく上手い!


・・・・そういえば、前先生が取ってきた山菜だって事もあったっけ・・・
絶対紹介とかしたくないかも・・。




「ねぇ、! さっそく呪文を見して!」
「うん。ちょっと時間かかるけど・・・」



扇子をバッと開いて軽く仰ぐ。
3秒ぐらい仰いでいると、扇子から桜や梅の葉が出てきて私の周りを回る。


「綺麗でしょ? これが基本呪文なの。でも女の子用だけどね。私の学校では男女別で授業するからあんまり知らないんだけど、たしか己が空中浮遊する術じゃなかったかしら」
「綺麗・・・」
「見たこと無い花びら・・」
「これは多分、サクラとウメよ。日本独特の花らしいわ。っていっても、最近はイギリスにも輸入されてるみたいだけど」


ハーマイオニーの長い説明に、ロンは大欠伸をしていた。


「ふふふ・・でもね、これだけじゃ無いのよ」



私は軽い力で扇子をたたんだ。

すると、桜と梅の花びらがヒラヒラと舞い落ちる。
声にならないような美しさ。


、凄い・・」
「どうって事無いわ」


僕は、花びらが落ちてくる中心に立っている""に目が離せなかった。
少々の風で靡いている髪の毛と、着物。
それに、キリッとした目に吸い込まれるような感覚にも襲われた。



多分これを、心奪われるというんだろう。



「ハリー?」
「ううん、綺麗だったよ」
「ありがとう。後ね、面白いのがあるんだよ」
「面白い?」

「うん! 湖とか池とかある?」
「えぇ。そこの崖をちょっと降りたら」
「じゃぁ、ソコで見せるわ」











「私の学校の湖よりもおっきい・・・。よし! じゃぁ始めよっと! 3人とも、ちょっとだけ後ろを向いていてもらって良い?」
「「「OK」」


3人が一気に後ろを向く。
私は、これから3人を驚かせようと湖に飛び込む。

そして、上から覗いても見えない位置に隠れる。



「すぅー・・・・」


息を思いっきり吸う。
そして・・


「きゃあぁあぁぁぁッ!!」


運の良い事に、音の反動で小さく岩が落ちてきて、丁度良い状態になる。



「!?」
、大丈夫!?」
「もしかして、落ちたのか・・な」


心配させすぎもどうかと思ったので、歩いて見える位置に行く。



「私は大丈夫だよー。へへへー、驚いた?」
「・・・浮いてる・・?」
「残念! 私は水の上に立ってるのでーす」
「「「・・・・?」」」


やっぱり理解できないよね。
そりゃそうだよね。 私だって理解出来なかった時あるし、実戦はすっごい難しかったし。


「ちなみにー」


私は、水に浮いたそのままの足で崖を登る。



「・・・ぇえッ!?」
「凄いでしょ?」


カエルみたいにへばり付いている訳でもない。
ただスタスタと歩いてコッチへ向かう。



「わー・・すっげぇ。それって術?」
「ううん。術じゃないよ。自分で体を慣らしたら出来るようになるの」



話しながら歩いてくるは、自信たっぷりで笑顔に溢れている。



「でも・・・わっ!」
「おっと!」


僕は思わず手を伸ばして、の左手を掴んだ。


「大丈夫?」
「うん、ありがと。 この力ね、ちょっと気を抜くと無くなっちゃうんだよね・・・」


苦笑いをしているを、軽く引っ張って地上にもって行く。


「ありがとう」
「どういたしまして」