「きゃぁっ!!」
僕が階段を登る時に大きな叫び声が聞こえて、振り向くと女の子が落ちてきた。
僕は持っていた教科書を床に投げ捨て、女の子を抱きしめた。
背丈と体型だけで年下だとわかった。明らかに誰かから落とされたような落ち方で、僕がキャッチしても小刻みに震えていた。
「す、すいません!!」
女の子が顔をあげて、涙目で謝ってきた。謝るような事してないよ・・。
「ご、ごめんなさい!!」
ポロッと涙が出てきて、どんだけ怖かったのかがわかった。僕は怖がっている君に一目惚れしてしまった。
多分4歳ぐらい年下だろう。って事は一年か。ショタコンとかじゃないけど・・・好きになっちゃった。
「助けてくださって、ありがとうございました!」
女の子は僕にペコッとお辞儀をして、階段を登っていった。
「おい、ハリー見たぞー!」
後ろからロンが何処からか出てきて、顔はニヤニヤしていた。
「カッコいい事しちゃって!あの子ってジニーと同じ学年の子だろ?ジニーが言ってたぜ、『はいじめられっこ』だって。今のも多分、落とされたんだと思う」
一歳下かぁ・・・。すっごい幼い顔をしてるなぁ。名前はか・・あんな可愛い子を何故いじめられるのかわからない!
「なんで虐められてるのか知ってる?ロン」
「原因はフレッドとジョージのせいだと思う」
「フレッドとジョージ??」
「あの2人がにアタックしているのを、ファンがみて、ヤキモチ焼いたのさ」
「二人は知らないわけ?」
「前虐めてる所を見て、それでやめるように言ったんだけど・・・・次は2人のファン以外にもやられるぜ?」
「なんで?」
「ハリー。君は何もわかってない。ヴォルデモートを倒したのは君だ。その君にファンが付かない訳が無い。ジニーだってそうだろ?」
ロンの言葉を聴いて、凄いビックリした。嫌な予感がして、僕はすぐさまが向かったところへ走っていった。
案の定、はいじめられていた。
遠くからでも聞こえる。「フレッドに近づくな」「ジョージを触るな」「ハリーは私のモノ!」など。
妄想が激しいなぁ・・。いつから君の物になったんだよ!
「!!」
僕がその現場について驚いた。ただ言葉だけの暴力だと思った。だが、蹴ってもいるし殴ってもいる。
女の子達は僕が来た事に気付き、慌てて離れた。
「になんて事するんだ!」
僕はに近づき、をぎゅっと抱きしめた。尋常じゃない震え方に、足にあるアザ。酷すぎる。
「そんな乱暴な奴に誰が惚れるんだ。少なくともフレッドもジョージも僕も大っ嫌いだと思うな」
僕の言葉にショックを受けたようで、涙を流しながら、僕たちの元から離れた。
「あ、ありがとうございます・・・」
は泣きながら僕の腕で泣いた。
「でも・・・なんで助けてくれたんですか・・?危なかったのに・・・・」
「好きな女の子が虐められてるのに、ほって置く訳ないだろ?」
「嘘・・・・」
「嘘じゃないさ。僕だって自分のみが大切さ。だけどが傷付くんなら僕が傷付いた方が良い」
僕は俯いているの顔を覗き込み、の唇にチュッとキスをした。
「の唇甘い・・・」
真っ赤になった顔がとっても可愛くって、僕は続けてキスをしたくなった。
何回も何回も唇をくっつけて、恥ずかしくて逃げようとするの顔を掴み、何回もキスをした。
「の此処、怪我してる・・・」
僕はの足に付いている、擦り傷を舐めた。ビクッと体を震えて、とても可愛らしかった。
「ここじゃ何だから、僕の部屋にでも来る・・?」
耳元で喋るとは震えながらも、首をコクリと頷いてくれた。それから僕たちが何かしたのかは秘密。