俺達はホグワーツから帰り、家でグータラしていた。
めんどくさい宿題は先にやっておいたせいで、やる事がない。
悪戯グッツも作りすぎてアイディアが出ない。
「なぁ、マグルの世界いってみないか?」
「マグルの世界だぁ〜?」
「あぁ。あっちは面白い物が沢山あるだろ?だからアイディアが出るんじゃないかな?」
「じゃぁ行ってみるか!」
俺達はすぐさま荷物をまとめて、出かける用意をした。
「フレッド、ジョージ。何処行く気さ?」
「「リーの家!」」
「あっそ」
「泊まりになるかもな」
「母さんに上手く言っといてくれ!」
「はいよ」
ロンは僕達に関心がなさそうに本を見ながら、鼻から声を出していた。
「「じゃぁアディオス!」」
「はいはい、五月蝿いから早く行って」
「此処が郵便局ねぇ〜〜」
「梟で飛ばしたほうが断然早い癖に」
「少しは頭使えよな〜」
俺達は見慣れない物一つ一つに感動していた。
「すっげぇ綺麗・・・・・」
「なにが?」
「アレだよアレ」
「アレ?・・・・あのな、ビック・ベンぐらい俺達何回も見てるじゃねぇか」
「そうじゃねぇよ。ビック・ベンに行くまでに橋があるだろ?右側に女の子いるだろ?川をじーっと見つめてる」
フレッドの言葉通りに目線を送ると、少し髪が長い女の子がポツンと立っていた。
そこら辺の女の子よりもだいぶ細かったが、綺麗さがとても引き立っていた。
僕等は少し緊張したが、その女の子へ近付いた。
「君、どうかしたの?」
「気持ち悪いの?」
僕達の問いに、彼女は答えてくれた。
小さな声。元気がなさそうな声。
「此処から飛び降りたら、一瞬でも空を飛べるなって思ってたの」
小さな声だからか、なにやら怖さのような物が襲ってきた。
「どうしてそんな事思うのさ?」
「死にたいなんか思っちゃダメだぜ?フレッドも俺もそんな事思ったことねぇぜ?」
「「俺達が話を聞いてあげようか?」」
「・・・貴方達変わってるね・・・・・私には誰も近付かないのに。近くに喫茶店があるから、そこでお話しましょ。もちろん奢るから」
「「うん・・・」」
少し強引でもあったが、俺達は何も思わなかった。
もっと知りたい、もっと話したいと、心から思った。
一目惚れってヤツらしい・・・。
「はい、コーラ」
「コーラ??」
「コーラってなんだい?」
「貴方達、コーラもしらないの?本当、珍しいのね。飲んでみたら?始めてだったらちょっとキツイかも知れないけど」
俺達はに勧められるがまま"コーラ"と言う物を飲んだ。
飲んだ瞬間、口の中にある小さいツブが爆発でもしてるような感覚だった。
一口目はキツイと思ったが、二口、三口と飲んでるうちに、だんだん慣れて来た。
これを買い占めて、皆に飲ませてやろうかとも思った。
絶対ウケる。リーだったら吐き出すかも!
「で、君はなんであんな事しようとしたんだい?」
「・・・・私、もう少しで死ぬの。寿命を宣告されて・・・あと2週間で余命がなくなるわ。私ね、小さい頃から魔法とかが大好きだったの。現実にはありえないけど、信じていたの。それぐらいしか縋るのが無くて・・・・死ぬまでに一度で良いから飛んでみたかったの・・・・・・その時に死んでもかまわない。鳥みたいに自由に飛びたいの・・・・」
彼女の目からはボロボロと涙が出てきている。
俺達は本気で「俺達は魔法使いだ!」と言ってやりたかった。
だけど、それは許されない。
「飛んで死ねるなら本望なのに・・・なんで出来ないのかしら・・・なんで私は魔法使いじゃないの・・?生まれてこなければ良かった・・・・・。10代で死んで、なんにも楽しいことなんて無かった。いっつも家の中。友達だっていない。ホント、生まれてこなければよかった・・・・・」
手で顔を隠していたが、涙を隠せていない。
「あ・・あのさ、・・・」
「おい、ジョージ・・・」
「だってさ・・・」
「・・・いいさ、言えよ」
「どうかした・・?フレッド・・・ジョージ?」
「あれ?どうして俺達の名前を?」
「教えてなかったよね・・?」
「2人の会話を聞いてたら解るわ・・・私も自己紹介するわ。よ。・・・・で、どうしたの?」
「よろしく、」
「絶対同情で言ったとか思わないでくれよ」
「「俺達、魔法使いなんだ。本当だぜ?」」
俺達はすぐ「嘘付かないで」といわれると思った、だけど・・。
「本当!?空飛べるの!?」
嬉そうな顔つきと、勢いで、聞いてきた。
「あぁ、本当さ。僕達の家に来てよ!」
「魔法一家だからさ!」
「「空だって飛ばしてあげるよ!!」」
はキャッキャと喜びながら、俺達に付いて来た。早く!と言う風に僕達を引っ張った。
「、俺たちの家に来ても絶対自分は魔法が使えないって言っちゃダメだよ?」
「どうして?」
「それが決まりだから」
「OKなら乗せてあげる」
「守る!絶対守る!だから、お願い!」
「「じゃぁ連れてってあげるよ!」」