CHAMBER OF SECRETS....09
「ハリーがいない・・・」
「いや、まだ探し始めたばっかりだか・・・」
「ぅー・・・」
「泣くなって。永遠の別れじゃないんだし。ダイアゴン横丁に今時来るって事は教科書を買いに来たんだろ?だったらアソコの本屋に行けば良い。あそこで教科書を買うのが普通だからなぁ」
「・・早く行くよっ!」
俺の手を必死に引っ張って、小さな歩幅で歩き出す。
早歩きをしているつもりなんだろうけど、俺の脚だと丁度良い。
たまに思う、とハリーの異常な兄妹愛。
普通の兄妹じゃないって事は十分知っているんだが、どうしても、気になる。
恋人同士のような振る舞いに腹が立つ時がある。
「はハリーの事どう思ってるの?」
「どうって・・・」
「兄妹って見てる?」
「うん。だってそれ以外に見れないでしょ。12年間も一緒だったんだから」
さっきとはうって変わって笑顔になる。
俺の手を上下に振って、嬉しいと思っているのがすぐ分かる。
「じゃぁ・・・ハリー以外のヤツの事考えられる?」
「え・・?」
「ハリー以外のヤツを男って見れるかって事」
手の振りが止まる。
別に立ち止まってるわけじゃないんだが、トボトボと・・ゆっくりと。
「つまり・・・オリバーは私の事好きって事?」
「・・ッ・・・」
唐突な言葉。
自分だけで気付いて、顔を赤らめてくれると思っていたのに。
ケロッとした顔で、なんの疑問も持たずに俺に聞く。
そんな顔で見ないでくれよ。
体の中がモヤモヤしてきて、それの歯止めが利かなくなってしまう。
「そっか・・・そうなんだ。嬉しいね、そうやって知ると」
「え・・?」
「好んでもらえてるって知れば、なんかドキドキするし、嬉しくなるね。でも、ゴメンねオリバー。私答えられないや・・・・私、初恋もまだだし・・・恋とか全然わかんないから・・・ごめんなさい。答えられるようになったら答えるね」
ニッコリ笑うに、コッチが驚かされてしまう。
「あ、がいる!」
「何処に?」
「ウッドと一緒にいるわ!ー!!」
「あ、ハーマイオニーだ!」
簡単に僕の手から離れる、の手。
温かさを失った僕の手は、如何すればいいのか迷いながらさまよう。
しょうがなく自分のズボンをジュッと掴む。
物足りない。
コレだけじゃ物足りない。
の手が・・・恋しい。
どうしてはアッサリと僕の手を外すのだろうか。
触れなくなった手にはジワリと温かさが残って、人混みの中からの隙間風で残っていた温かさが、消えた。
嬉しそうに、服が汚れているハリーに抱きつく。
君は気付いてないだけだよ。
僕をフったのは、他に好きな人がいるから。だよ。
皆気付いているよ。
君はハリーに恋をしてる。
誰も入り込めないようなほど、パズルのように綺麗に型に収まっている。
ハハ・・僕って大馬鹿だな。
気付いているのに、相手に気持ちを教えるようなことして。
オリバーの失恋・・・(゜□゜ノ)ノ
何気にすぐ終わったのが寂しかったりもします。
フフ・・・これだけで終わらすものかッ!(なんの決意?