CHAMBER OF SECRETS....66
















「あぁ・・・・実に艶かしい」


リドルは気絶をし、縛られているに蛇のように頬を舐める。
少し泥だらけの体。まったく関係ないように、首元を吸ったり、所々にキスを落とした。

「唯一の後継者・・・・我が子孫」


開こうとしない瞼。半開きな口。
すべて触る。










「触るな・・・・・ッ!!!!」




遠くからハリーの声が響く。


「君は・・・・リドル?」
「ハリーじゃないか・・・」
・・・ジニー・・・・2人とも・・リドル・・・・お願いだよ・・2人を助けるのを手伝って」」


地面にいるジニー。 リドルの体に埋もれている。ジニーを触ってみたら、雪の塊よりも冷たく感じる。

「リドル・・・・どうして君が此処に・・?」
「在学中に秘密の部屋を開ける事は危ないと感じたからさ。サラザール・スリザリンの崇高な仕事を僕がやろうと思ってね。ダンブルドアは僕の事をずっと怪しむからね・・・だから、日記に託した。もう、穢れた血を殺す事などどうでもいい事・・・欲しかったものは手に入った」
「欲しかったもの・・・?」









「ハリー・ポッター・・・・君と、だよ」





小さな体は、ぐったりと まるで息をしない人形のようにぐでっとしている。
リドルはそのぐったりしたの髪の毛を触りながら、リドルとヴォルデモートの関係性について語り始めた。

ロゴを入れ替えると、ヴォルデモートの名前になる事。どうして穢れた血が嫌なのか、など。





でもそんなのはどうでもいい。



を返せ」
「無理な話だよ。ちなみに言うけど、ジニー・ウィーズリーもさ。ジニーが弱れば僕の力が増えるからね。」
「そんなの関係ない・・・に触るな・・・・から離れろ!!!!」

大きく叫ぶ。
は目を動かすことも、可愛らしい声を発す事もない。


「離れろっていってんだろ!!!!!」
「君は分かってないね。」
「なにをだ・・・」


の事ならなんでも分かってやる。
ホクロの数だって、初めてお小遣いを貯めて買ったアルバムの名前だって覚えてる。


の血が欲しいのだよ。僕の復活にもっとも必要なものだからな」
の血だって・・・」



が血を流さなきゃならないのか?
痛い思いをして、もしかしたら涙を流すかもしれないのに。


髪の毛だろうが、血だろうが、あげてやるもんか!!!!




「お前なんかにやるもんか!!!」
「おっと・・・動くなよ? そうしたら、この可愛い頬に傷を付けてもいいんだぞ?」


リドルは杖をいつの間にか鋭くさせたのか、元々杖自体がギザギザしているのかは分からないが、それをの頬に当てると、まるで雪の上を踏んだかのように綺麗に切れていく。
その流れる血を宇宙にいるように、中に浮かせ、貯めていく。

「それだけでいいだろ・・・やめろ・・・・それでいいだろぉお・・・ッ!!!!!」
「だめだ・・コップ2杯分は必要なんだ。知ってるかい? 僕とが血で繋がっていると―」
「そんなの、とっくの昔から知ってる!!!」



生前 大量に"犯した"娘達の中の1人が妊娠し、こっそりと出産したのがの祖母。
その時はヴォルデモートも知らなかったらしい。

ヴォルデモートは、処女だけを街から根こそぎ奪い、痛がる10代中間から後半までの子を無理矢理犯していく。たまにいる"感じ難い子"は、手下の飢えた男共の中に投げ捨て、死ぬより恥ずかしい羞恥を犯させた。そして、20代半ばになると、記憶をなくさせたり、"きちがい"にさせ、捨てた。




その行為が8年目を過ぎたとき、事件は起きた。

の祖母の妊娠だ。
彼女はそこまでお腹が大きくならなかったが、妊娠初期におこる症状が出始め、生理が止まった。日に日に大きくなる我が子。 小さいながらも、動く脚や手。愛しくなるばかり。

だから、彼女は逃げ出した。とてもとても遠い農村へ。
好きでもない男性と結婚をして、そして生まれたのがの母親。

そして、そのの母親もホグワーツに入る事が出来、そこで知り合った男性と恋に落ち、生まれたのがだ。








その事自体は、ヴォルデモートからしてみたらどうでもよかった。だが自分達が劣勢になり、自らの命も危うくなった時、子孫を探した。
しかし、見つけた時には遅かった・・・。

の母親は事故で全身の血を入れ替えていたのだ。血液型も代わり、まったく自分と似ている血がなくなっていた。



そして目をつけたのはだった。

その時、ヴォルデモートが生まれたばかりの子から血を採ったらは死んでいた。
だが、もう一度必要な時にどうする? また危険な目にあった時、すべては終わりになる。








  だから生かした。





長い時間待った。 だから、今、貰ってやる。






を返せ・・!!」
「面白い・・ではと戦うか?」
「な・・ッ!!」
を傷付ける事は出来るかな?」


リドルはから離れた。

意識が無かったはずなのに、は目を開いた。何時もの、時たま茶色に見えような瞳は濁っていた。



「さぁ・・・・・戦え」


操られているだろ って言えるほどの ぎこちない動きで杖を取り出す。




・・・お願い・・・目を覚まして!!」

動じない。


「行け」




フラフラな足つきで、歩いてくる。
その振動で脚から頬から、血が数滴流れ落ちれば、すぐさまリドルの所にある"血の球体"へと吸い寄せられる。

「動かないで・・・・・・動いちゃだめだ」



であって、ではない。

こういう時、如何すれば良い?



愛しい人が目を濁らせ、血を流し、今にも倒れそうな体で迫られてきたら。












 『 ハリー 』




そう言うは僕の目の前にいた。


杖を短刀へと持ち替えて、僕の腕を斬りながら。

















 『 ハリー・・ごめんなさ・・い 』




そして、君は地べたに倒れた。














鋭い剣が、床へと撥ねる音と、






僕の血が、滴る音と、






君がまるで人形を落としたかのように、あっさりと倒れる音。











世界が、止まったように思えた。


















この次からは亜依からのオリジナルになります。
そのまま読んでも構いませんが、オリジナルが嫌な方は即座に読むのをお止め下さい。

原作ではジニーは死にませんが、亜依の小説の中では、死亡 とさせてもらいました。
これはドリームなので、原作とは違う事を書きます。それを踏まえて、次回作も読んでくださいね♪