彼を取り巻く全てのものに バカみたいに嫉妬してる
どんどん自分が醜くなっていくよ
誰もを傷つけるな
傷付けていい人など、僕自身でも許せない
僕のお姫様・・・。
CHAMBER OF SECRETS....65
「ねぇ・・・」
「なに?」
「兄妹じゃないみたいね・・・」
「本当の兄妹じゃないもの。でも大切な人よ」
「そういう意味じゃないわよ」
「え・・?」
「恋人同士みたい」
今までよく言われてた。
でも、マートルの言い方は他の人と違って、ずっしりと私の胸に突き刺さる。
「よ、よく言われるよ・・・・2人で支え合ってるから、依存もハンパじゃないの」
「依存って言えば依存だけど、ハリーは貴女を恋人以上に大切にしてるのがわかるのよ」
その言葉に私はとても迷った。
愛してると言いたいのに、何故かイケナイ事みたいで、酷く頭を混乱させる。
「ハリーが愛してるのは他の人よ。そう見えるのも依存が強いから――」
言いながら、自分が一番傷付いた。
「ねぇ、マートルの初恋って何時?」
「9歳の時の牛乳配達をしている25歳前後の人だったわ」
「どうして、その人を??」
「牛乳が美味しくって、毎日楽しみにしてて6時には起きて毎日待ってたの。そしたら私の名前も覚えてくれて、毎日、2分話せばいいほどの会話が続いて、あぁ好きなんだなって感じたのよ」
「ふふ・・・なんか変な理由」
忙しくしなきゃいけない時なのに、落ち着いて話してる私たち。
こうでもしてなきゃ、震えてきそうだもんね。
「んー・・・私は、初恋・・誰なんだろ? アハハ! わかんないや!!」
無理矢理にでも笑顔を出した。
" ザッパーーン!! "
「・・・??」
「あ・・あ・・・・・・ッ・・」
マートルの笑顔が一瞬にして消えた。
後ろを振り向こうとした瞬間、私は誰かに首を絞められるように二の腕ではさまれた。
「あ・・・ッ・・・・!!」
顔を見なくたってわかる。・・・・・クソッ!!!
「やぁ、マートル・・・久しぶりだね」
「ト・・・・トム・・・・・・・・・リドル・・」
「随分と軽く呼んでくれるじゃあないか。まぁ、いい。君はこのトイレから出られないそうだな。は貰っていくよ」
「な・・・を離して!!」
「やめて・・マートル・・・・・・これ以上刺激・・しな・・い・・で」
息が苦しい。
声も喉が押されていて、何時もより低い声がでる。
「賢いなぁは。そう言うことさ・・・・貰うね」
こんなにも軽々しく。
お腹を空かせたライオン、子を守ろうとする親クマ、血の匂いに寄って来たサメ等に囲まれているほうがまだマシだ。
い や だ!!!
もがこうにも、まだ150センチにも満たない身長なせいで、意味がない。
「おっと・・・・落ち着いて。可愛い顔が涙と憎悪で乱れてしまう。ほら・・落ち着いて」
杖先に小さな日を灯す。
「いや・・・・嫌あぁぁぁああ!!!!」
鼻先5cm未満に火がある。
ただ、小さく揺れている。マートルからしたら何に叫んでいるのか分からないだろうが、私には 見える。聞こえる。
小さな声で叫んでいる。
燃え盛る火の中で、下着も、髪の毛も、肌も、すべて。
わかる。
あれはママだ。
ズルズルになった肌で、目玉はいまにも垂れ落ちそうな姿。
見える。 聞こえる。
いやだ・・・・聞きたくない・・・
「や・・めて・・・・・嫌・・・あ・・・・!!」
「じゃあ落ち着くんだ」
もっと火を近づける。
熱い・・・・・熱い・・・ 嫌・・・あ・・・・・・ッ!!!!
" ガ ク ン "
私 は 気 を 失 っ た 。
ほ く そ 笑 む リ ド ル を 見 な が ら 。
「聞き訳がいいね」
と、言ったように聞こえた。
・
「ロックハート!!! 早く動くんだ!!」
「一歩でも反対方向に動いたら、怪我じゃすまないからな!!」
ロックハートを封じ込めながら、走った。
を・・・から離れたくない・・・!!
「いや・・・・嫌あぁぁぁああ!!!!」
・・・・ッ!!!
「の叫び声だ・・!!」
「え? そんなの聞こえな――」
「間違いない! の声だ!! 何千回も聞いてきてきたんだ。間違えるはずが無い!!」
呪文を唱え、ロックハートを出来るだけ勢い良く飛ばした。体を固め、反抗しないようにして。
「ハリー!! 早く来なさいよ!! が・・・!!」
トイレのギリギリの部分で、マートルが叫ぶ。
「がどうしたって!?」
「なにか起きたの・・・・??」
「が・・・・連れて行かれちゃった!!!!」
眼球が飛び出そうだ。
息も、出来なさそうだ。
くそぉ・・・・・・・・ッ!!!