CHAMBER OF SECRETS....59








「大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
「何もされなかった?」
「されないよ。心配しなくても、何もなかったから・・・」


僕はをジッ・・と見つめた。
の嘘付いた時の癖は、まったく出ず、それが本当だと確信できた。



「もう心配させないで・・」
「ごめんハリー・・・・」


私だって、気付いてきた。今までは考えてさえもいなかった。


  ― 私達は依存しすぎている ―

なんだか恥かしくなってきて、抱き合うこともずっと出来ないままだった。
寂しいけれど我慢しなきゃならない。



結構辛いなぁ・・・・




















ハーマイオニーにも、この事を話した。
ハグリットが秘密の部屋を開けたんだ!っと。


なのに、ハーマイオニーは『友達を疑えないわ!』と完全否定。

私も信じてはいないけど、"百聞は一見にしかず"っと言う言葉もあるせいで、少しだけ疑ってしまう。
友達を疑うなんて、失礼だけど・・・・ 失礼なんだけど・・・


「ハリー・・あの日記、今は何処に?」
「僕の部屋だったんだけど・・」
「「だけど?」」



ハーマイオニーと私の声が重なった。
そんな面白い場面なんて、今は興味ない。『だけど』って・・・・?


「ご飯を食べに置いて出たら、ものすごい騒音がして、駆けつけてみたら・・・・」


ロンが目をキョロキョロさせながら話した。


「リドルの日記だけが盗られて、部屋が荒らされてたんだ」
「盗まれたってことよね・・誰がやったかは分からないの?」
「分からない。僕等が一番最後に出たから、他の人には無理だし・・・・」
「フレッドとジョージかな、ってちょっとは思ったけど、話してないから知るわけもないし」
「そう・・・・」



もっと深い所まで聞き出そうとしていた矢先。
もハーマイオニーも呆れた顔をしている。

で・・でも、僕等のせいじゃ・・・・・ないよね?


「しょうがないけど・・・・」
「また、自分達で調べないといけないわね・・」
「ハリー・・落ち込まないで? 盗む人が悪いんだから・・・・・・」
・・本当にごめんね」
「大丈夫。調べる方法なんて、他にも絶対あるはずだから!」



は、ハリーに抱きついて慰めようと"した"。
抱きつこうと手を広げ、ハリーも構えていたのに、足が動かなくなり、進むのを諦めていた。



・・・?」
「ご、ごめん・・・・・やっぱり兄妹でもオカシイよね」
「・・・・?」















ハリーも不安そうな顔を隠せないまま、クィディッチの試合が始まりかけていた。

始まる前のオリバーの長ったらしい講座。
ハッフルパフなんて楽勝だ って言ってるくせに、なんで二時間前から講座が始まっているんだろうか。


「今回は楽勝さ!」
「そうとも!」
「ハリーが継承者じゃないかってアイツらビビってるしな!」
「ジョージ!なんて事言うの!! ハリーは継承者なんかじゃないわ!」

「悪い悪い・・でも、本当の事だぜ?」
「今回は30点も取れないな。確実勝利間違いなしッ!」
「フレッド!ジョージ!」


浮かれている2人を叱る
聞こえちゃいない っていうのが、余計に腹立たしくなる。


「ハリーも、気にしないで。絶対違うんだから!」



私は、ハリーの腕を引っ張りながら部屋から出る。
オリバーの『待て!』という大きな声にも気にしないまま。


「今日の試合は、私が点取りまくってるからハリーは急がずにスニッチを探してね」
「お互い頑張ろう!」
「うん!優勝目指しちゃお!」


がニコッと笑い、僕の背中をポンポンと叩く。
小さな手のひらに、こんなにもパワーがあるなんて・・・。



「ポッター!!!」
「・・マクゴナガル先生・・・・?」
「今日の試合は中止です!」
「中止・・・クィディッチが中止なんて・・」
「天候だって悪くないじゃないですか!」

「中止と決まったものは、中止なのです。、すぐさまウィーズリーを探してきなさい。」
「ロンを・・?」
「至急にですよ。ポッター、貴方はグリフィンドールメンバーに中止と伝えてきなさい。」


理由をまったく教えてくれないマクゴナガル。



は僕に箒を預けて、走り出した。
僕の心は、不満と何処からか出てくる不安に押しつぶされそうになっていた。