CHAMBER OF SECRETS....58
本の中から、光と共に出てきた僕とロン。
なのに、はまったく帰ってくる気配も無い。
「は・・?」
「日記の中」
僕は羽ペンにインクをつけて、文字を書く。「は何処?」と。
すると、また文字が消えあらわれてくる。「私はリドルと一緒にいるよ」と。
「リドルと?」
「リドルと話せるわけ無いんだし・・・ どうしてさ」
「『大丈夫? 戻ってこれる?』」」
さっきのみたいな可愛らしい字じゃなく、リドルの綺麗な筆記体で『すぐに戻れるよ』と書いてきた。
「早くしろよ・・・ が・・」
悩んでいるハリーを見ている僕。
ハリーって、の事好きなんじゃん? 兄妹とか言いながら ってちょっと思ってしまった。
・
「僕の"記憶"。理解してもらえたかな?」
「えぇ・・・ でも、本当に記憶が見せられるって不思議・・・・・ ハリー達、いなくなっちゃったけど、どうして?」
「君に、話があるからだよ。だから残した」
「そう・・・ ハリーが心配するから、早くね」
「そのつもりさ」
ニッコリと笑い、私の頭をポンッと叩く。
大きな手のひら。 ハリーよりも大きいな。
「君の親は、とハリソン・・・・ 合ってるかな?」
「えぇ、合ってるわ。でも、どうして知ってるの?」
「そりゃぁ知ってるさ。は僕の・・・・ まぁ、それは良いとしよう。」
「・・・?」
「君は、誰を大切にしているんだい?」
「誰って・・・ 皆よ。私以外の皆。悪い人以外だけど」
「ハリーやロンも?」
「もちろんも。それにハーマイオニーも。私の悩みを一番真剣に聞いてくれる人だわ」
「ほぅ・・」
なにやら考えているみたいだけど、それが何なのかは、まったくと言って良いほど分からない。
「君の周りの事件、犯人探しは大変だろう?」
「とっても・・・自分的な考えだけだけど、マグル出身の人ばっかり襲われてると思うの。コリンもそうだったし・・・」
「まぁ、確かにそうだなぁ。」
「リドル・・・貴方は何が聞きたいの? 話の意味がまったく掴めないわ」
「掴まなくても良いよ。時期に分かることなんだからサ」
「時期に? 後からじゃなくって、今教えて欲しいわ」
「残念ながらいえないよ。じゃぁ、もう用は無いよ。戻るんだ」
リドルがシュッと杖を振ると、目の前が一気に暗くなる。
そして、さっきのハリー達みたいに、強風が私を襲う。
「・・・きゃ・・ッ!」
「また会おう。 我が真の後継者よ・・」