CHAMBER OF SECRETS....57








「・・わっ!」
「当たる・・ッ!」
「ぐぇっ」


ロンの上にハリーが落ち、そのハリーの上に私が落ちる。



「ご・・ごめんなさい。 重かった・・でしょ?」
「それよりハリーの衝撃の方が痛い・・」
「ごめん、ロン」
「早く降りろよー」


フラフラのロンの手を引っ張って持ち上げる。
男の子の力って凄いね。 人一人持ち上げられるなんて。



「っていうか、ココ何処?」
「本の中じゃない?」
「リドル って人の記憶の中じゃない? 日記なんだし」
「多分、ココホグワーツさ。あそこに猪の銅像があるって事は、ここは3階かな」

「シッ! あっちに人がいるわ! 男の人・・・リドルなのかしら?」
「行ってみよう!」



ハリーに手を握られて、引っ張られる。
ちょっとだけ の罪悪感にかられたけど、気にしないことにした。





「すみません。 トム・リドルさんですか?」


ハリーが聞いたのに、返事が無い。


「すみません!」
「聞こえないんじゃない?」



  " ギィ・・ "



真上から扉の開く音。
3人一気に見てみれば、先生みたいな人が6人ほど集まって、女の子をタンカに入れて運んでいた。
見た事がある。


私が、2時間前に見ていた顔だ。




「この子・・・マートルよ。髪型も輪郭もマートルと一緒・・・ それに手にある二つに並んだホクロ・・・間違いないわ」
「マートル!? バカ言うなよ! マートルは何年も前に死んでるんだぜ?」
「これはリドルの日記の中よ? リドルって人がマートルと同じ時代に学校にいたなら考えられるし」


タンカを運んでいる人たちが、私達をすり抜けた。
やっぱり、私達は見えてないんだ。



「リドル。こっちへ来なさい」


階段の上から呼ぶ声。
また見てみると、三日月メガネをかけていないダンブルドアだ。
まだ、校長になる前なのかな・・・それとも・・。


「はい、先生」


「ほら、やっぱりリドルなのよ、この人!」
「シッ!」


「こんな時間に出歩くとは許せれんのぅ・・」
「僕はただ、真実を知りたかったんです」
「残念ながらウワサは本当じゃ。」
「学校はどうなるんですか? 僕は、学校が無くなったら帰るところがありません! 犯人が捕まれば・・・大丈夫なんですか?」
「掴まればの・・・・・」


ダンブルドアの声を聞いてすぐ、リドルは体を動かした。
逃げるように ではなく、真実を見つけるような感じに。



「これ、リドル!」
「追いかけよう! 真実が知れるかも!」
「待ってよ、ハリー!!」











「リドル・・・・足早・・ッ」
が遅いんだって」
「夕食食べてすぐ走ってるから横腹が痛いんだってー・・・」

「でも、早くしないと真実が分からない!」
「・・・待ってぇ・・・ッ!」



それからまた10分ほど走らされ、ついた所は私達が去年入ってしまった、禁じられた部屋。
少しだけ奥に行けば、りドルが周りを気にしながら扉を開け始めていた。



「その化け物をよこせッ!」


行き成りの大声に、は僕の後ろにスッと隠れた。


「お前が隠しているその怪物・・・そいつを殺さないといけない。人を襲わないとお前は思っているんだろうけどな、コイツが女生徒を殺したんだ」
「アラゴグはそんな事しねぇ!」
「怪物はペットになれないんだよ」
「アラゴグは誰も襲っちゃいねぇ!」

「ハグリット!! 早く出すんだ!」



怒り狂ったリドルは、"怪物"が隠れているであろう箱に呪文をかけた。
箱はバンッと飛び散るように砕けた。

破片の中から、20センチほどのクモが逃げるように僕達の所を通り過ぎる。


「アラゴグッ!!」
「お前は行かせない!! ハグリット・・・君は杖を取り上げられて退学させられる・・・ 心の底から謝るんだな」



リドルが話し終わったと思えば、強風が僕達に当たってきた。
ロンが飛ばされ、僕も飛ばされそうになる。


でも、目を開けてみれば、強風をまったく受けていない
ポツンと立っていて、何故か、前に進んでいる。


・・・そっちはダメだ!!」
「こっちを見て! !!」



飛ばされそうになりながらも、必死に叫ぶ。



には・・・聞こえてない・・?