CHAMBER OF SECRETS....55







ホグワーツの庭って、色んな人が通る。近道に使う人だっている。
そのど真ん中にある椅子に座らされて、ドラコに話しかけられる。


ドラコの存在が目立つせいで、気を使いすぎて、疲れた。




「・・疲れたぁ・・・・・」


1ヵ月に一回ある8時間授業の時以上に疲れた気がする。
肩の凝りがとれそうもないしなぁ・・・・



、どうしたの?」
「疲れが溜まってるだけー・・・」
「それもあるけど、マルフォイとさ! あんなに話してるなんて! ハリーが目眩起こしそうだったよ」
「見てたの?」
「中庭なんて、僕らの部屋から見えるに決まってるじゃん!真下だぜ?」


「そっかぁ・・・・ でもね、いつの間にかっていうか・・ いつの間にかなんだけど・・」
「はぁ?」
「だからね・・・私・・・・・・ドラコと付き合う事になっちゃったみたいらしいのよ」


文法も分からなくなって、適当に話す。
他人事なのか、自分事なのかもわからず。 ――自分の事なんだけどね。




「はぁあッ!?」
「自分でも展開が読めてないの・・・本当、いつの間にか・・・って感じに・・・・」
「ハリーはどうするのさ! ていうか、僕等もどうしてくれるのさー!」
「え?」
「あー・・・ 僕等の気持ち的にサ。あー・・えー・・・マルフォイと! かーッ!!信じたくもないね」


ロンの言いたい事は、なんとなくわかる。


「やっぱり・・・"いつの間にか付き合ってる" っていうのが悪かったよね」
「いや、そっちじゃないから」
「・・・まじ?」

















「ねー・・マートル」
「なによ」
「私如何すれば良いかなぁ?」
「知らないわよ! ていうか、なんでアンタがココにいるわけ?!」
「マートルなら聞いてくれるかなーって・・・」

「私は忙しいのッ!」
「トイレの排水溝に何回も入ってるだけじゃん」



マートルは右側のトイレの中に入ったと思えば、一番奥から出てきたり、後ろの蛇口から出てきたり と、驚かせようとしてるけど、慣れたのもあってもー驚かなくなってきた。


「マルフォイと付き合えたなら良いじゃない」
「でもハリーが・・・」
「じゃぁ私のハリーが好きなのね?」
「ハリーとは兄妹だもん!」
「血、繋がってないじゃない。恋愛だって出来るわよ?」



「ハリーは私に恋愛感情なんて無いよ。妹扱いしかしない って見てて分かるでしょ?」
「あら、自覚あったのね」


排水溝の中から話してくるせいで、少しエコーがかかった声で言う。


「そう、この本どうにかしてくれない?」
「本?」
「えぇ。昨日"死"について便器に座って考えてたの。そしたら、誰かが投げつけてきたのよ。私こんな体だから、物なんて触れないし。」
「便器の中に入ってるじゃん・・・」
「浄化の魔法で使ったら大丈夫でしょ?」


少し不満がりながら、浮遊の呪文で本を持ち上げ地面に置く。
そして浄化の魔法で汚いモノを追い払った。



「"DIARY"・・・・・日記?」
「見た感じ、何にも書かれて無いわね」
「んー・・・でもなんか気になる!」
「捨てなさいよ!便器に入ってた本なのに」
「浄化したし、大丈夫よ。グリフィンドールに帰ってから、ちょっとだけ調べてみる。分かったらマートルにも教えるわ」


「別に良いわよ」
「嫌。マートルだって友達だし」