CHAMBER OF SECRETS....54
魔法薬学・・・・・・
苦手ではないけど、点数稼ぎをしておかないと後から大変なのにもかかわらず、まったく話を聞けれていない。
ていうか、聞ける状況じゃない。
真横にはドラコがいて、私の顔色を何回も伺ってくるし、
ハリーの元に返ろうとしても、授業中歩き回るほど勇気マンマンじゃない。
チラリとドラコを見れば、キスしてきた唇がキラリと光っているように見える。
「考えるな・・自分ッ!」
「・・・何?」
「あ、いや別に・・・・」
体が強張って緊張が取れない。
肩こりになりそうだよ・・・・。
「・・・・今日の授業はココまで。整理して置くように」
・・・チャーンス!
ハリー達の所に逃げようと、体を動かした。
"ガシッ"
「わ・・ッ」
だけど、肩をつかまれてしまった。
さすが、スリザリン。 捕まえた獲物は逃がさない って感じで・・!
「どこ行くの?」
「ごめん、ハリーの所に行かなきゃ・・・」
「僕の所にいなよ。いて欲しいし」
「でも・・・・」
ジッと見つめられると、恥かしくて抵抗する気がなくなってしまう。
「うん・・でも、出なきゃ怪しまれるし・・・・出るだけ、出よ?」
「あぁ」
私が荷物を持とうと手を伸ばした。
すると、スッとドラコの手が伸びてきて私の荷物を持ち上げてくれる。
「良いよ、悪いし・・・」
「教材が多いし、クィディッチで鍛えてるから大丈夫だ」
「・・・ありがと・・」
「それで良し」
頭をポンッと触ってから、ドラコと私の荷物を重ねて持ってくれる。
鍛えていても重いものは重いに決まっている。
ちょっとドキッとしてしまう。
「次の時間は授業とって無いだろう? だったら、庭にでも行くか?」
「あ・・うん。別に良いよ」
「じゃぁ・・ん」
「・・?」
荷物を持っていないほうの手を差し出される。
「え・・?」
これはどういう意味なんだろ・・・。
付き合った事も無い私にとって、ポカン・・としているだけ。
「手・・・繋いだ方が離れないだろ?」
「・・うん」
ドラコの大きな手に、手を滑り込ませる。
少し汗ばんでいるけど、嫌じゃない。
「ごめんね、持たせちゃって・・・」
「これなら手繋げるし。お徳だろ??」
ニコッと笑うドラコに、私はニコリと笑顔を返した。
でもね、手を繋いだのは恋人だからって意味を持って握ってたわけじゃない。
ハリーといつでも握り合ってるから。
ハリーと私のクセ。