CHAMBER OF SECRETS....41
「ハリー・・もう大丈夫なの?」
「もう寮に帰って良いって言ってたから大丈夫だよ」
「良かった! ハーマイオニーがハリーを連れて来いって」
「何処に?」
「女子トイレ」
「はぁ?!」
行き成り女子トイレに来いなんて言われるから、なにされるのかと、正直焦った。
行ってみればロンもいてちょっと安心したりもした。
トイレの近くで、ハーマイオニーが胡坐をかいて、鍋をかき回していた。
「何してんの?」
「ポリジュース薬を作るって言ったでしょ?」
「まさかこんな色だとは思わなかったけど」
「、取って来てくれた?」
「えぇ」
はポケットから、何かの液体が入ったビンを持っていて、それを鍋に少しずつ入れる。
ブクブクと鍋が沸騰しているのが、気味が悪くてしょうがない。
「うぇ・・・これを飲むと思ったら嫌だな」
「一時不味いだけだから我慢しなさい」
太い棒でグルグルと鍋を回す。
その姿が、イメージしていた魔女姿にフィットしていて、笑いそうになる。
「そういえば、ロンとハーマイオニーには言ってなかった。前言っていたドビーって奴が部屋に現れたんだよ」
「しもべ妖精の?」
「うん。秘密の部屋は前にも開かれたって言ってた。」
「やっぱりな。僕もそう思ってたんだ!ルシウス・マルフォイが学生だった時に開いたに違いない!」
「そうかもね。まぁポリジュース薬が出来たら確かめられるけど」
ロンは腕まくりをしながら、立ち上がる。
「聞くけどさぁ、こんな昼間っから女子トイレで薬作ってて言い訳?女子トイレのど真ん中で! 誰かに見つかったらどうする気さ」
「ここには誰も来ないよ。ね、ハーマイオニー」
「えぇ。誰にも見つからないわ。"嘆きのマートル"がいるから」
「誰、それ」
「"嘆きのマートル"だって。」
「だから誰だよ」
こっちを向いて喋るロン。
後ろにいるのに・・・・・
『私が嘆きのマートルよ!!』
いきなりロンの目の前に現れて、怒鳴る。
透き通った体。幽霊だってことが一目で理解できたみたい。
髪を二つに結んで、ハリーみたいな丸いメガネをかけてる女の子。
『どうせ私の事なんて知らないんでしょ!惨めでめそめそマートルの事なんか!』
中を二回位回転して、また元のトイレの中に入って行った。
便器の中に入ったせいで、水しぶきが溢れてきてるけど。
『わぁーーーんッ!!』
泣き声がトイレの排水溝の奥から響く。
「傷付きやすい子なのよ」
そういって、ハーマイオニーは薬作りを続ける。
「でもなんでこんな女子トイレにいるわけ?」
「女子トイレで一生を終えたのよ。原因はしらないけどね」
「うぇ・・・トイレで一生終えるなんて最悪!」
捲り上げた服を下げる。
鳥肌が立ったみたいで、二の腕を擦りながら言う。
「あ・・、そこの水道からから水汲んでくれない?」
「うん、良いよ」
ビーカーを持って、蛇口に近付く。
蛇口を捻って水を出そうとした時、なんだか嫌な予感がした。
「きゃっ!」
「どうしたの?」
「・・・あれ? なんでもない・・・」
別に蛇口に何かある訳でもない。
気のせいか・・・
「はい、水」
「ありがとう」
蛇口を触った手が少し感覚が無い。
正座して足に感覚がない感覚と同じ。
なんなんだろう・・・・・