CHAMBER OF SECRETS....37
「へぇ・・ドビーはハリーに会いに・・」
「今、なんで僕に会いに来たのか聞こうとしてたんだ」
「惜しかった!が入ろうとした時にクシャミをしてしまい、通路を閉じられなかった!しかも関係の無いロナルドさんを巻き込んでしまった!」
ドビーの言いたい事がイマイチつかめなかった。
私が行けて、ロンとハリーが行けなかった・・・あ、特急列車のッ!
「あの時、家にお戻りになるべきだったんです!」
「もしかして、あれは君の仕業だったの・・?」
「私、すっごい心配したのに・・・」
「アレしか方法が無かったのです!」
「そのせいでハリーとロンが退学になりかけたのよ!」
「知っています・・・ですが、お2人のお命を守るためにはしょうがなかったので御座います!」
「「命・・?」」
「その次はブラッジャーを使ったので御座います。悪いとは思ったのですが、ブラッジャーを操りました」
ブラッジャーと言えばハリーの骨を無くした・・
いや、あれはロックハートのせいか。
でも、私とハリーを永遠と追いかけてきて、死に物狂いだったのに。
「死ぬ所だったのよ!」
「ですからドビーめは自分で自分の手にアイロンをかけたので御座います」
包帯でグルグル巻きにされた手を私達に見せる。
痛々しいけど、やっぱり腹が立つ。
「どうして、私とハリーを殺そうとするの? もしかして、壁に書かれた血文字もドビーがやったの?」
「殺そうとなんてとんでもない!壁の地文字もドビーではありません!秘密の部屋の・・あぁ・・・言っちゃいけなかった」
ヤケドが治っていない所を自分のパンチでガツンと殴る。
叫びにならないような声で、渋い顔をしていた。
「だれが血文字を書いたのとか・・知らない?」
「それはドビーには言えません」
「知っているの?」
「"知っている"と答えられません。ですが、今ホグワーツでは恐ろしい事が起こっています。お2人は特にお命を狙われます!」
ドビーが小さな声で必死に私達に伝えようとしている時、
医務室の外から、5〜6人の足音。
普通に喋っていたりするので、多分先生たちだろう。
「あ・・ドビーめは帰らなくてはなりませんッ! 言っておきますよ!歴史が再び繰り返されようとしています!!」
「「繰り返す・・? 歴史が?」」
468年の魔法使い・魔女狩りの繰り返しとか・・?
・・・・違うだろうけど。
「教えて、ドビー!今起きている事件は誰がやっているの?」
「いえません!」
「教えて―…」
「申し上げられません!」
ドビーがパチンッと指を鳴らすと、砂になるように消えて行った。
医務室の扉も開きかかっていたので、焦りながらベットにダイブした。
勿論は僕の胸元にスッポリと入れて、毛布でカバーしながら、バレないようにした。
急いで話したせいなのか。
ドビーの言いたい事が、半分以上理解できてない。
ていうか、自分自身も焦っていたせいで、覚えてない。
ただ、歴史が繰り返されようとしている という事だけ。
「ささ、コチラに!」
扉からは、マダム・ポンフリーの声。
窓の反射を利用して向こうをみていると、背の低い男子生徒が中に浮かされて、ゆっくりとベットに寝かされようとしていた。
「ハリー・・あれ、コリンだよ」
「コリン? なんで?」
「一眼レフのカメラ持ってるもん。ホグワーツでソレ持って歩いてるのってコリンだけじゃない」
吐息のように喋る。
僕の胸元にの息がパジャマ越しに当たって、ちょっとくすぐったい。
「石にされたようです」
「「(石・・?)」」
コリンが石?
スリザリン生にでもやられたのだろうか。
「そのようですわね。脈も無い・・・心臓まで石にされるなんて。手も冷たい・・・・そうですね、ざっと2時間はたっていますでしょう」
「2時間前!? 就寝時間よりも前となると、他の生徒にも危険があったという事では・・?」
「そうじゃ。今、生徒全員に危険が迫っておる」
「ミセス・ノリスが石にされたのと関係があるのでしょうか」
「あるじゃろう。ホグワーツでは "生き物を石にさせる方法" は教えてなんぞいない。硬直ならあるがな。」
「生徒達には、なんて伝えるべきでしょう・・・嘘を伝えますか?」
「いや、嘘は言ってはならぬ。調べる者が出てくるからな。正直に言うんじゃ。」
「それでは怖がる生徒が出てきます!」
「嘘を言って、一時の安心をさせるよりかはマシじゃろう。真実に気付けば倍以上に驚いてしまう。それに―・・」
「恐れていることが起こる。もはやホグワーツは危険極まりない学校になった。特にハリーとにはな・・。」
僕と・・・?
ダンブルドアの声で、すこし震え始めたの体。
僕はその体をギュッと抱きしめて、背中をトントンと叩く。
5分もしないうちに、吐息のような声が聞こえた。
衝撃的なことを聞いて、すぐ寝るなんて凄いな って思ったけど、
怖がって泣いてしまうよりかはマシだ。
それに、僕達にとって危険なことが起きようとも、
は守ってみせる。
僕だけの、大切な宝物だから―・・・。