CHAMBER OF SECRETS....36
「・・・・・・・イタッ!」
透明マントを被っているのに、周りに見られているんじゃないかとビクビクしてしまう。
だから、こっそりと壁際を歩いているんだけど、壁際を歩いてるせいで足を壁にぶつけた。
フーチ先生が少し遠くにいたせいで、急いでコッチに走ってきたけど、
私は出来る限り体を小さくしてフーチ先生が去るのをまった。
「生徒の声が聞こえたような・・・・私も、疲れたのかしら」
そういって、スタスタとフーチ先生用の部屋に急いで歩いていった。
「危ない危ない・・・」
「・・・・来い・・早く・・・・こっちへ・・」
また聞こえてきた。
壁際にいるせいか、やけに声が近くに聞こえる。
しかも、医務室方面から小さな足跡。
もしかして、ハリーが・・・?
透明マントをぎゅっと掴みながら、タッタッタと急ぐ。
猫のような物を軽く踏んだせいで、「フンギャ!」と言う声が響いた。
・・・どうか、ミセス・ノリスではありませんよーに!
「・・お前なら・・・・私に従え・・早く、おいで・・・」
ハリー・・・ハリー・・ハリー・・・・ッ!!
怖い。
前からか、後ろからか、上からかはわからない。
でも医務室方向へ行ってるっ疑いがあるせいで、怖さが増す。
もしかして、自分を狙っているかもしれない。
だから、後ろも振り向けない。
早く・・・早くしないと・・・怖いッ!!
医務室についたと思ったら、怖いけど後ろを振り向いて誰もいないことを確認し、
ドアを小さく開けてスルッと医務室に入った。
一番奥のベットにはハリーが寝ているはず。
ろうそくの火が揺れていて、ハリーが見える。何故か起き上がっていて、しかもハリーの目の前には誰かいて。
嘘・・嘘でしょ、掴まっちゃったの・・?継承者が、もしかしてあのチッコイの・・?
ポケットから杖を取り出して、一歩ずつ前に進む。
「・・・ゴクッ・・」
ツバを飲む音が、妙に大きく感じる。
ジワジワと相手を確認するよりかは、バッと現れて相手を見るほうが怖くない・・と思い、
バッとハリーと化け物的な者の前に移動した。
「イダッシオ!」
そう叫ぶと、驚いたような顔で私を見るハリーに、なんかチッコイ化け物が逆さ吊りになっている。
「・・・?」
「あ・・ドビー・・・・?」
逆さまになった化け物を見ようと目を萎めると、見えた。
苦しそうな顔をした、あの難ったらしいドビー!
「・・・どうしてが・・?」
「その前に、なんでドビーが此処にいるの・・?」
「く・・るじぃ・・」
「わゎ・・っ!、早く戻してあげないと・・ッ!」
「あ・・ごめん・・」
杖をパッと終う。
そうするとドビーは顔面から毛布へボトッと倒れていった。
「ごめんなさい・・・」
「ていうか・・なんでが此処に?」
「寂しくて・・・ でも、なんでドビー・・?」
お互いがお互いの事を理解できなくて、頭にハテナマークが飛びまくっていた。