CHAMBER OF SECRETS....32
マクゴナガル先生に、あんな事を話されたせいで、私達はその話題で持ちっきりだった。
「継承者って誰なんだろう・・・・」
「さぁ・・・でも、それっぽい奴はいるだろう?」
「もしかしてマルフォイの事を言ってるの?」
「マグル出身者を嫌って、純血を尊重したがるのはアイツだけだ!」
「マルフォイが継承者なら、もっと先に私を襲っているはずだわ。」
「ドラコが継承者って事は、ルシウスさんだって継承者じゃないの?親子なんだし・・・。」
「なのに開かれてないって事はマルフォイじゃないって事よ」
とハーマイオニーは理屈だけで話をしてくる。
どちらかと言えば行動派の僕たちにとっては、頭が痛くなる以外なにもない。
「でも、可能性としては一番高いじゃない?」
「マルフォイ自身から聞き出すなんて出来ないかな? たとえばを使うとか」
「をマルフォイに近づける方が嫌だ! どんな理由があっても」
僕はとっさにの小さな手を掴む。
「別に強制的にさせようなんて思ってないさ。」
「そうよ、ハリー。私だって近づけたくないもの。あんな純血ボンボン野郎に!」
頭を抱えるハーマイオニー。
「話・・・戻るんだけど、本当に秘密の部屋ってあるのかな?」
「あるわ。絶対に!」
「なんでそう力んで言えるんだよ」
「だって、先生達が脅えてるんだもの! 今日の朝食の時だってダンブルドアは口を震えさせながら言ってたわ!」
「変な所だけ目が行くよな。マルフォイの奴・・『次はお前たちだ!』って言ったし・・・やっぱりアイツさ!
「それぐらい私でもハリーでもでも聞こえてたわ。」
「ありえるかも・・・・ドラコから聞いたんだけど、ドラコの家って何百年もスリザリン生だったって」
「だから意地の悪さが治らないんだよ、まったく・・・」
舌打ち気味に言うロンに、納得しているハリー。
その二人の行動に悩まされる私とハーマイオニー。
「クラップとゴイルをシバいて色々聞くか!」
「そんな事したら、後から僕たちが酷い目にあう!」
「ねぇ、ハーマイオニー・・・・ポリジュース薬が使えるんじゃないの?」
「ポリジュース薬・・そうね、その手があったわ!」
「「ポリジュース薬?」」
聞いた事も無い薬名。
薬名は言えるけど、綴りがわからない。
「ポリジュース薬って言うのはね、相手の一部を薬品に入れ、それを一気に飲み込むの。」
「薬の量によっては違うけど、一番簡単なのは一時間分。しかもキッカリ」
「その一時間分だけ、相手に姿、声が似ちゃうっていう薬品。」
「それを作っちゃってよ!」
「すぐにでも!」
「でも、この薬を作るだけで47の規則を破っちゃうわ」
「それにね、ハリー・・・・私とハーマイオニーで頑張ったとしても一ヶ月はかかっちゃうわ」
「一ヶ月!?」
「そんなに待ってられるかよ! マルフォイが一気にマグル生を消しにかかるぞ!」
「でも、かかっちゃうんだもん」
「私とでさえ理解しがたい分厚い本に書いてあるの。短くてそれなんだから」
眉毛をへの字にして困った顔で言う二人。
「じゃぁ一ヶ月待つからその薬を作ってよ」
「良いのかよ、ハリー!」
「こうするしか手がないんだ! しょうがないさ。僕たちが出来る最良の方法なら、すぐさまチャレンジするべきさ」
「ありがとう、ハリー」