CHAMBER OF SECRETS....31














「今日の授業は、動物をゴブレットに変える授業をします。こうです。1・・2・・3・・・"フェラベルト"」


マクゴナガルが杖を取り出し、真横にいる鳥に向かって呪文を唱える。
すると、たちまち鳥はガラスへと変化し、ゴチャゴチャと動いて、すぐさまゴブレットに変身した。


「わお・・・すげぇ」


ちょっと離れた所にいるロンの驚いた声が聞こえる。それにちょっと笑えてしまった。
ロンの笑い声に反応したマクゴナガルは、すぐさまロンの所に移動する。


「貴方がやってみなさい。フェラベルトですよ。お間違いが無いように」


ロンは数回席をして、テープでくっ付けまくった杖をスキャバーズに向かって振る。


「フェラベルト!」


スキャバーズも、さっきのような変化があるのかな と思っていると、
細い部分より下がガラスで、それより上はスキャバーズの毛が生えているゴブレット。
しかも・・・・・尻尾まで生えてるし。



「その杖は取り替える必要がありますね。クリスマス休暇の時でも変えなさい」


マクゴナガルの言葉にハハッ!と笑い出すドラコ。


「ウィーズリーにはそんなお金すら無いんじゃないのか?」
「ロンを馬鹿にしないで・・。自分達を守ろうとした時に杖が折れただけなんだから・・・・」
「おいおい、ウィーズリーの肩を持つのか?」
「ロンは友達だもん・・・・それにドラコだってクラップやゴイルだって友達だもん。庇うのは当たり前よ」


そう言うと、ドラコは声が詰まったような声を発して、
喋らなくなった。



「「・・・・マクゴナガル先生・・聞いても良いですか?」」


同時に私とハーマイオニーが喋り始めた。
でも、噴出し笑いだなんて・・・出来なかった。




「如何したんですか、、グレンジャー」
「聞きたい事があるんです。秘密の部屋について・・・」
「あのどうして血文字だったのかって事と、血文字で書かれた文の意味が知りたいんです」


一瞬、ピーーンッと空気が張り詰めた。
だけど、此処で聞かなきゃ。 じゃないと誰も教えてくれない。


全員がジーッとマクゴナガルを見て、カエルと鳥の鳴き声しか聞こえない。



「えぇ、良いでしょう・・・ただし普段の会話などで話をしないように。」


根負け と言わんばかりに溜息をつく。
心の中でガッツポーズ!



「皆さんもご存知のとおり、ホグワーツは四つの継承者から出来ています。当時のもっとも優秀な魔法使いによって創設させましたゴドリック・グリフィンドール、ヘルガ・ハッフルパフ。ロウェナ・レイブンクロー、サラザール・スリザリン」


覚え難い言葉に、ちょっとだけ頭がこんがらがる。
グリフィンドールとスリザリンは何故かインパクトがあるけど、他のは・・・もう思い出せないし・・。


「この中の3人は意見が合っていたんですが、1人は違いました。サラザール・スリザリンはホグワーツに入る生徒は優秀な者を選ぶべきだと考えたのです。純粋な魔法族のみが勉強するべきだ・・と。ですが、3人が反対したのもあってスリザリンはホグワーツを去りました。」



机と机の間で、行ったり来たりをするマクゴナガル。
でも、全員がマクゴナガルの姿を目で追った。



「伝説ではスリザリンはこのホグワーツの何処かに部屋を作ったと言われています。スリザリンがこの部屋を去る時にその部屋を封印し、学校に彼の継承者が現れるまで隠すと決めたそうです。」

「継承者って・・・?」
「スリザリンの血を引いている者って事さ」


小さくドラコに聞く。
ドラコは私の目を合わそうとしないまま答える。



「その継承者のみが部屋に入れる と伝説には残されています。そこには恐ろしい恐怖があるのです。スリザリンが認めない者を抹消するモノが」
「マグル出身者を って事ですか?」
「その通りです。」


ずれかけたメガネを持ち上げながら、重い口を開く。



「先生達は休みを利用して何年も探しました。私がホグワーツの教師として入ったばっかりの時からです。ですが、何一つそれらしきモノは見つかっていません」
「先生! その部屋にある・・・恐怖ってなんなんですか?」
「スリザリンの継承者でもある者のみが操れる怪物がいると言われています。前々の校長は長く大きなものと言っていましたが、そのような怪物が何年もいられるほど大きな部屋は、さきほども言ったとおり、見つかっておりません。」


「先生は・・・秘密の部屋があると思いますか?」
「有るとも無いとも、まったく言えません。ですが・・・・有るんじゃないか と、私は思っています。」



圧迫されるような低い声で言う。


腰元から鳥肌が立った。
体の震えが、止まらない。