CHAMBER OF SECRETS....28












の叫び声で、まわりのザワザワ感も、足音1つでさえ聞こえない。
僕だって、驚いた。 が怒るなんてあんまりないから。

それに、の叫ぶ時には言っちゃ悪いけど、良い事が起きたことなんて一回もない。
だから鳥肌が立つほど驚いてしまう。



「状況証拠よりも物的証拠を見してみなさいよ! 見せられないんだったら、ハリーを犯人扱いしないで!!」


殴りかかりそうな勢いで、フィルチに近付く
の剣幕にフィルチも負けそうな勢いだ。


「こんな事するのはポッターしかいるわけなかろう!」
「言っちゃ悪いけど、スネイプ先生の方がこういうの知ってそうじゃありませんか!」
「減らず口叩きやがって!」
「ハリーを犯人扱いするからでしょ!」


口喧嘩なんて、はじめて見た。
いや、ダーズリー家の人たちのとか、ロン達のはしょっちゅう見てたけど、
が誰かと・・なんて、初めてだ。



「なんの騒ぎじゃ・・」


レイブンクローの生徒の間からダンブルドア先生たちが出現。
マズイッ! というような顔をしているフィルチと。 そこだけ合わせるなって・・・・



ダンブルドア先生達は、血で書かれた文字を見て唖然としている。
ロックハートだけはキラキラした目で、新しく出す本のネタを思いついた!
と、言わんばかりの顔つきをしている。 


「・・・監督生は皆を連れて寮に帰るように。そこの4人は帰らぬように。ささ・・早く」



せかすように両手をヒラヒラと動かす。
ほぼ全員の顔が、この後の話し合いを見ていたい と言う顔をしている。

僕は、の腕を引っ張って自分の近くへと戻す。
これ以上フィルチの近くにいたらゲンコツが飛んできそうだしね・・・。



「アーガス・・・猫は死んでおらんよ。ただ石にされただけじゃ」
「・・・ッ・・!」


歯を食いしばって僕を見つめるフィルチ。


「私がいれば! 私がいれば反対呪文で助けられたのに!」


空気を読めないバカ男がなにやら言ってきた。
スネイプの冷静さを分け与えたくなっちゃうよ。


「誰がこんな事を・・・」
「ポッターに決まっています! 壁の字をお読みでしょう?」
「違います!」
「・・・・ハリーはこんな事しません。ハリーはロックハート先生とさっきまで一緒にいたし、此処に来るまでは私達と一緒でした」
「ほほぅ・・・ロックハート先生と?」
「暴れ柳に車をブツけた事などの罰則です。 本当に私達はハリーと一緒にいました!」
「我輩からも一言・・・ポッター達はたまたまこの現場に居合わせただけでは?」



・・・・・は?
あのスネイプがハリーを庇った・・・?

私達は顔を見合わせて驚きあった。


「ですが―・・ 状況的には実に疑わしい。夕食の騒ぎからポッターは戻ってこなかった」
「それについては私から。を医務室まで連れてきてからポッターはの傍を片時も離れませんでした。私も近くにいましたのでそれは保障出来ますわ。その後、私がロックハート先生の所に行かなくては? と教えてあげたのです。それからすぐ向かった事も、私は見ていました」

「どうやって?」
「医務室から、ポッターが罰則を受ける教室は見える所にありましたので」
「私からも証明できますぞ! 教室の目の前で立っていたんですからなぁ!」



まだ分かってないのか、このバカ男は。空気を読めっての。
嬉しそうな声で言うな つうの。



「私とロンは、倒れたの事が心配で食べてすぐ医務室に向かったんです。長い時間待ってると、医務室からが出てきたんです。そしたらが・・・・」
「それに、その後会ったハリーも・・・」


言うべきなのか、言わないべきか と、
不安そうな顔で僕とを交互に見る。



「ポッターとが・・・ どうした?」
「・・・・お腹が空いてないって言ったんです。私がダイエット中だったし、ハリーも気分が悪いって言ってたから」
「だから寮に向かって歩いてたんです」
「そしたらミセス・ノリスがいて・・・・」


が不満そうな顔で下を向いた。
すると、足元が結構大きな水溜りだったせいで、震えながら僕の背中に縋りついた。



「・・・どう思いますか、校長」
「"疑わしきは罰せず"じゃよ、セブルス。」
「ワシの猫が石にされたんだ! 処罰を与えないと気が済まん!」


「猫は直せます! スプラウト先生が飼っているマンドレイクは石になった人や動物を治す薬草として使われています!」
「ほほぅ。スプラウト先生、何時頃になりそうかのぅ?」
「い、今はまだ子供なのでもう少し時間はかかりますが、必ず元に戻すことは出来ますわ」
「蘇生出来るのであったら、アーガスも文句はあるまい。 薬が出来るまでくれぐれも用心するのじゃぞ、ハリー、。」
「「・・・・はい」」


なんで、私達2人だけに言うのかは分からないけど、
一応、返事だけはしておいた。