CHAMBER OF SECRETS....23









「・・・きゃっ!」
「わっ!!」


の所に向かっていると、大きな石が外から飛んできて窓ガラスが割れた。
でも、ハーマイオニーは怪我をしてまで僕について来てくれた。

だから・・早く行ってあげないと・・ッ!






競技場は、どしゃぶりだった。
雨の粒が邪魔で前が見れなくなる。


の・・気配を感じなきゃ・・・・ ・・何処にいる?


「ハリー・・・ッ!!」



僕から見て・・左側!

ハーマイオニーを置き去りにして、僕は先へ進んだ。
ハーマイオニーに気を使ってを見つけられなくなったら、意味がない。

・・・・いたっ!



僕は駆け寄って、自分のマントを被せる。



「やだ・・・・嫌ぁッ!!・・」
、落ち着いて! 僕がいるから・・・ね? 僕は此処だよ」


絶対聞こえてない。
耳をふさいでいるから当たり前なんだけど、僕はの顔に雨が付かないように気を配りながら背中に乗せる。

ギュッと僕の背中を掴んで、ガタガタと触れていて。


「僕が近くにいるから怖がらないで! 誰もを連れて行ったりしないし、誰もを襲ったりしないよ!」
「アイツが来てる・・・逃げないと・・ッ!」
「誰も来てないよ!」


僕は必死でを負んぶしたまま走って、ハーマイオニーが待っている所まで走った。
そして、ハーマイオニーを連れながらグリフィンドールの選手用の部屋に向かった。



「・・良いのかしら、こんな所に入って」
「この際だからしょうがないさ。怒られたって、の名前を出したら許してくれるし」
「そう言う問題なの?」


呆れるハーマイオニーをほっておいて、僕は小さくなっているを抱きしめた。
徐々に震えが止まってきて、疲れが収まったせいか目を瞑ってスースーと眠った。



「聞こうと思ってたんだけど、のこの・・水嫌いって本当に小さいときからなの?」
「そうだよ。叔父さんや叔母さんも呆れてたほどね」
「本能的にだとしても、は『水に頭を突っ込まれて』って言ったわ。他の理由があるかもしれないけど、それが一番なんじゃないかしら」
「でも僕の周りの人に、溺死とかした人はいないよ」

「ハリーの近くの人で考えて如何するのよ」
「でも僕等はずっと一緒だったんだよ?」
「それはあの家に行ってからでしょ。行く前から」


ハーマイオニーの言う事が、わかる。
ただ・・・考えたくないだけで。



の両親が死んだのってさ・・」
「そう言うことよ」
「・・・・ありえない!アイツは杖だって持っているんだぞ!自らの手を使う・・?」
「アイツがやったんじゃなくて、アイツ以外の奴がやったとしたら?」



確信なんてないはずなのに。

妙に納得してしまうのはどうしてだろう。
って事は、アイツ意外の奴がの両親を・・・・?



「でも、は僕と同じようにヴォルデモートから生き残ったんだ!」
「なにか意図があったんじゃない? 貴方達を生かしておかなきゃいけない っていう意図が」
「でも・・・ッ!」
「それ以上は私もわからないし、難しすぎて考えられない。私はヴォルデモート自身じゃないもの」


「ゴホ・・・・ゴホッ、ゴホッ!」
・・?」


急に咳をし始めたに、僕はすぐさまを抱きかかえる。



・・・・?」
「・・・・・」


目を開けない。
眠っているんだろうけど、・・・・なんだか怖くなる。



「大丈夫、だよね?」
「大丈夫よ・・・。怖がっていただけだから。ほら、私も狭い所とかあんまり好きじゃないけど、出たら平気だし」
「そう言う問題じゃないし・・・。だいたい、をこんな目に合わしたのってさ・・・」



・・・・ッ!
スリザリンじゃないか・・・。

忘れていた。
スリザリンのせいで、がこんな目にあったんじゃないか!



「ちょっとハリー! 何処行く気なのよ!」
「マルフォイたちの所に決まってるだろ!」
「あんな奴の所に行って如何する気なのよ・・・は!?」
「ハーマイオニーが見てて!」

「あ・・ちょっと・・・・ッ!!」