CHAMBER OF SECRETS....22














「でも、グリフィンドールのチームは誰一人としてお金で選ばれてないわ。才能で選ばれてるの」
「お前なんかの意見は聞いていない」


箒を盾に、ハーマイオニーに近付く。



「この穢れた血めッ!!」



大声で吐き捨てるように言った。
と僕は意味が分からなかったのだが、まわりの皆が轟々と声をあげるので "酷い事を言ったんだろう" と予測は付いた。

「酷ぇ・・」
「最低よ、マルフォイ!」
「良く言った、ドラコ!」


拍手と貶し合いの言葉。






「よくも、我が家系に"穢れた血"を入れやがったな」





頭の中で声が聞こえた。 頭痛がする。


誰の声・・?
誰に向かって言ってるの・・・?


、大丈夫?」
「あ・・大丈夫。ちょっと偏頭痛があっただけだから・・・・」
「そう・・・・。」



「よくも言ったなマルフォイ・・・・ナメクジ食らえ!」


勢い良く壊れていた杖を振ったロン。
なのに杖はマルフォイに当たるのではなく、ロン自身に当たっていた。
逆噴射って事・・だよね?

勢い良く飛ばされて、庭の真ん中に降ちる。
それを笑いながら見るスリザリンに、急いで近付くグリフィンドール。


でも、私はその場所から動けなかった。




「フリント、なら一緒に練習しても良いよなぁ?」
「あぁ、大歓迎だ。」
「じゃぁ行こう、
「うん・・・・」


聞いちゃいなかった。

ドラコに引っ張られるまま、私は道を歩いた。
まるでドラコの彼女にさせられたように、肩に手をかけられたり。廊下を歩く人たちも、私になんの疑問も抱いていない顔。





・・・! 何処行くんだよ!」


頭に響いてきた、さっきの声はハリーの声?


違う。 もっと低い声。
ヴォルデモートの声かとも思ったけど、声質が違う。


貴方は、誰?



!!」



















「いいかい、。スリザリンのチームは一気に攻め込む という方法が主流なんだ」
「一回戦がハッフルパフだからな。攻め込んだら怖がって逃げる。」


・・・・・何処が練習なんだろうか。

練習場には立っているものの、一回も飛び上がらないで、ただ私の周りに集まって戦略法を教えてくれる。
なんで私に教えるのかはわからないけど、グリフィンドールの戦略方さえも教えてくれた。



もう2時間半ぐらいたった。
ロンの口からナメクジが出たらしいけど、もう治まったのかな? とかばっかりを考えていたけどネ。
今になってだけど逃げたくなってきた。 エイドリアンの荒い息に当たるのも、もう我慢できそうにない。



それに・・・・・天候も悪くなってきた。





― ―





「ロン、もうナメクジ出ないよな?」
「多分・・・吐き気はするけど」
「ハーマイオニーももう大丈夫? 目は赤いけど・・」
「えぇ、大丈夫よ」
「じゃ僕、行ってくるよ」
「「何処に?」」


の弱点を知ってるくせに・・・。



「天候が悪くなってきた。昨日は星が見えなかったし・・・・これじゃ雨が降っちゃうよ!」
「雨ぐらい良いじゃないか」
「あ! は雨もダメなのよ!水が降ってくるんだから!」
「なんだ、は雨が苦手だったンか!じゃぁ早く行ってやれ! ダンブルドアが言っちょったぞ!『今日は雨が降るから星が見えン』と!はよ、行け!」


僕とハーマイオニーはロンを置き去りにしたまま、外に出た。
もう曇り空で、今にも雨が降りそうな・・・・・。





―  ―





やっと会話から抜け出せて、空を飛びまくっていた。


「・・・・キャッ!」
「・・ッ・・・ちくしょう・・・天気が悪くなってきやがった」
「雨が止むまで大広場に行っとこうぜ」


小さな雫が、頭や顔に当たってきた。
これぐらいの雨なら平気だよ と言う前に、まわりのスリザリン・チームが次々と地面に降りていく。


も早く降りて来いよ!」


私の心配もしないで、そそくさと競技場から去っていく。
自分の手が震え始めて、もう限界・・・だと思ってきたので、私も地面に降りようとした。



 " ゴロゴロゴロ・・・・ピカッ! "


あと1m・・と言う時に雷が鳴ってバランスが崩れる。


「イタタタタ・・・・」


左肩から落ちたせいで、一瞬だけど 激痛が走る。
そのせいで、逃げ遅れた。



 " ・・・・ザーーーッ!! "


スコールだ。 強い雨と、雷が響く。
やだ・・・・怖い・・ッ!



「お前など、消えてしまえ!!」


嫌・・・ッ!!





― ―





「ハリー・・降りだしてきたわ!」
「早くしないと・・!」


自分の脚力だと、これが限界。
もっと筋力をつけておけばよかった。 女のハーマイオニーが付いて来れるほどだなんて・・・悔しすぎる。




「・・・ぁああっ!!・・・・」



の叫び声だ!」
「競技場から逃げ遅れたって事!?」
「クソ・・・ッ!」


の叫び声を聞いたら、足が軽くなった。
ランニングハイなのか、の危機だからなのか。

とにかく、自分の脚力に感謝・・!