CHAMBER OF SECRETS....02
私達は言葉にならぬ声で叔父さんたちの悪口を言った。
マグル界で魔法が使えたら、すぐさま使ってやる!!
「ウホホホ! ウハハハ!」
私達の部屋に入ろうとドアノブにハリーが手をかけた瞬間、中から不気味な笑い声。
聞いたことも無い。
甲高いし、なんかちょっと腹の立つ声。
「ハリー・・・開けて」
「でも・・・」
「泥棒だったらけり倒してやる!」
「待って・・僕が先に行く」
少し深呼吸をして、ドアをゆっくりと開ける。
「な・・・ッ!」
「なにあれ!」
そこにいたのは、僕たちの狭いベットでピョンピョン撥ねている小動物。
・・・・・ぽい奴。
「ニャハッ!」
なにが"ニャハッ"だ。
"グハッ"って言うまで殴ってやろうか・・・・
クルッと一回転ジャンプを決めようとしたが、足がもつれたせいでその場に倒れる。
ベットの端の気の部分に鼻が当たったらしく、相当痛そう・・・
「・・・ハリー・・・・・・」
目が合った!
「なんたる光栄でしょう!」
紳士っぽい振る舞いをするけど、紳士には見えない。
ボロボロの服に、犬のように垂れ下がっている耳。ピノキオと言い勝負の鼻。
僕の指に3本分にも及ばない手と足の太さ。
それに・・・・・コケや泥がついていそうな体。
ベットの上で飛んだらゴミとかホコリとかつくじゃないか。
・・・迷惑。
「「誰?」」
「屋敷しもべのドビーでございます!」
「あー・・気を悪くしないでね」
「ドビーがいると今の私達にとって都合が悪いんだ」
「ていうかマズい」
「それは分かっております!」
じゃぁ・・・後にしてよ・・・・
「ただ、申し上げなければならないことがあります」
「・・・・申し上げなければならない事?」
「それが複雑で・・・何処から話して良いやら・・・」
「「とにかく座って。」」
僕たちが同時に同じ椅子を引っ張ってソコを指差す。
「・・・座って!?・・・うぉうう・・・ウォウ!・・・おおぅ・・!」
小さい手で涙をぬぐう。その顔が余りにもブサイク。
垂れてきた鼻水を自分のシャツ・・・的なものでとったり。
「ドビー・・・お願い静かにして!」
「落ち着いて・・・なにか気に障ること言ったなら謝るから・・・!」
「ドビーめは一度も魔法使いから『座る』なんて言われた事はありません!・・・まるでドビーめを対等のように・・・」
「礼儀知らずが多かったんだね」
「常識も知らないなんて!」
「えぇ、たったの一度も・・・アッ! 口が滑った・・・ドビーは悪い子!ドビーは悪い子!」
落ち着いたと思ったら、次はタンスに自分の頭をぶつけ始める。
同じ言葉を何度も繰り返しながら。
気が狂ったのかと本気で思う。
「ドビー・・・やめてったら!!!」
はドビーの頭を捕まえて、音を立てないようにする。
僕だって必死に体全体を引っ張ったり。
少ししてから頭をぶつけるのをやめ、僕らのほうを向く。
立ちくらみ・・・してるみたいだけど。
「大丈夫?」
「自分にお仕置きしたのでございます。ご主人様を悪口を言いかけたので」
「ご主人様?」
「お仕えしている魔法使いのご家族です。ドビーめは一生その家に忠誠を捧ぐ。もしドビーめがココに来たことが知れたら・・・」
「「大丈夫、言わないから」」
「でもドビーめは参りました!ハリーとを守るために!警告でございます!! いいですか・・・?ハリーとは今学期ホグワーツ魔法魔術学校に戻ってはなりませぬ。罠です!夜にも恐ろしい罠が仕掛けられているのでございます!」
「恐ろしい罠って?」
「それに誰が?」
「おおおぅ! それは申せません!・・ふぅぬ・・ぅ・・うぅ!」
またドビーが暴れ始める。
尋常じゃないほどの汗が僕らの頭から流れる。
「わかったから静かに・・・静かに!」
机の上にある20cmぐらいのスタンドで自分の頭をたたき始めるドビー。
「ふん!ふん!」と言う声がでかくて、これじゃぁ下の部屋に響いてしまう。
「やめてったら!」
「そう言うことは家でしてくれる? 迷惑なの!」
「スタンドを置いてったら!」
わからずやすぎる。ていうか自分勝手。
こういうタイプの人げ・・動物嫌い。
"ドンドンドン!!"
「ハリーー・ポッターーーッ!!! ーー・ッ!!」
ハリーはドビーからスタンドを奪い、首根っこを捕まえながら小さなクローゼットに押し込む。
「中で静かにしてて!」
「騒いだら、そのご主人様には悪いけど、息の根止めるから!」
だってこんな恐ろしい事を言う。
僕だって言いたい気分さ。
「開けろ! 早く!!」