CHAMBER OF SECRETS....18
1. ギルデロイ・ロックハートの好きな色は何?
2. ギルデロイ・ロックハートの密かなる大望は?
3. 現時点までのギルデロイ・ロックハートの業績の中で、あなたは何が一番偉大だと思うか?
知るもんか。
好きな色なんて、闇の魔術に対する防衛術にまったく関係ないじゃないか。
でも、真横では人間の手の動きとは思えないほど、一生懸命書くハーマイオニーと、
後ろで2つの悩む声がうなりながらも、書いている音。
書く気も失せないかな?
「では回収!」
まだ15分もたってないのに・・・?
後ろからは不満タラタラの声で回収する男の声。
前からは、自信満々な女の子達がキャッキャッと騒ぎながらお互いの回答を見合っていた。
僕も話そうと思って、後ろを振り返ると、
解答用紙が真っ黒のと、対照的に真っ白のロン。
「、どうして問題解けたの?」
「だって・・簡単だったじゃない」
「え・・?」
「"好きな色"って事は、必ずその人の廻りを見ていたら分かるの。ほら、ライラック色のシャツとクツ。自分の写真の額縁の色もほとんどライラック色でしょ?」
「でも、全部って・・・」
「"大望"だって、アソコの張り紙にデカデカと書いてるんだもん。ほら、『必ず叶えてみせる!』って。ね?」
「ほんとだ・・・・」
テストなのに、どうして分かるような事をしているのか分からないが、
は観察力が鋭いみたい。
僕の今までのウソだって、100%バレてたらヤバいな・・・。
「・・・・素晴らしい!満点の子が2人もいますよ!ハーマイオニー・グレンジャー!君は凄い!細かいところまで確認しているようだ!」
花マルを書きまくっている解答用紙。
ハーマイオニーは「ロックハートが自分のを触った!」 と小声で言っている。
「もう1人は・! 君は完全には書いていないが、すべて合っている。丸がしやすかったぞ!グリフィンドールに10点ずつ差し上げましょう!」
ハーマイオニーみたいに、適当に渡すのではなく、には跪いて渡していた。
「君は私の理想にピッタリだね! いやはや・・・私もこんな可愛い子に好かれてるなんて・・・照れてしまうなぁ!」
ハッハッハッ! と笑いながら、の頭をグチャグチャと殴る。
ユリのサラサラストレートが絡まったらどうしてくれる気さ。
「君は私の143番目の彼女にでもしてあげたくなるよ!」
そう良いながら、元の位置に戻るロックハート。
は触られた場所をはらって、椅子の裏などになすりつけていた。
その姿にシェーマス達が大声を出しそうになって笑いそうだった。
「142人も彼女作ってたって事?」
「まぁ、そう言うことだね」
「軽い人ってサイテー・・・・ていうか、そんなにいるって事は、そんなにフラれてたって事だよね」
「アッハッハ!」
ロンはツボに入ったみたいで、机をドンドンと叩いていた。
僕も噴出しそうになったけど、すごい形相で睨んできたので出来なかった。
ちぇ・・・。
「ねぇ、ハリー見て・・・・」
僕の背中をちょんちょん と突く。
僕が振り向いて見ると、解答用紙を指差しながら嫌悪感いっぱいの顔。
「解答用紙に『もしよければ僕の一番身近な存在にしてあげよう』だって!ロリコンだよ、あの人!」
えッ!? と思いながら、ユリの解答用紙を見る。
" もしよければ僕の一番身近な存在にしてあげよう。 君は僕の理想そのものだ!
大丈夫、秘密っていうのはとてもエキサイティングだし、危険な恋も楽しみたいよね "
完全にイカれてる。
そして、完全にが自分に惚れていると思っちゃってるみたい。
あーあ、すっごい苛立ってきた。
もし此処にナイフがあったら、投げ飛ばしちゃってるかも。
ロンも僕が持っていたの解答用紙を引っ張って、涙を出しそうな勢いで笑っていた。
でも、僕は 体が震えるほど怒っている。