CHAMBER OF SECRETS....17











「ロンに吠えメールが来てるぜ」
「「吠えメール?」」
「僕、お婆ちゃんから来たのをほっといたら、偉いことになった・・・」



真っ青な顔のネビルに、笑いを堪えているドラコ。
怖いんだか面白いのかわからないナ。



ロンは指を震わせながら、その赤い手紙をゆっくりと開いていく。




「ロナルド・ウィーズリー!!!」




シールを外した瞬間、手紙が喋り始めた。
ロンが驚いて手を離すと、手紙は宙に浮き、唇のような形に変化して行った。



「車を盗むなんて、なんてことです!お前にはほとんど愛想が付きました!お父さんも役所で尋問を受けてますよ!それも皆、お前のせいです!首を洗って待ってらっしゃい!承知しないからね!」



キンキンするような声。
ネビルなんて耳をふさいでいて、上からは埃が落ちてきた。 地響きみたいだな・・・。




「良くお聞き!今度ちょっとでも規則を破ってごらん!首に犬輪を付けて連れて帰りますからね!!」



この手紙から、ツバでも飛び散ってきそうな勢い。
なんて、手紙なのに怖がって僕の後ろに隠れようとしてるほど。



「あらジニーちゃん・・・グリフィンドールに決まったのね。おめでとう。パパもママも鼻が高いわv」




そういうと、ロンに紐の"舌"で「ベーーッ!!」と動かすと、己・・・つまり手紙を破っていった。
証拠隠滅・・ってコト?



ロンは汗ダラダラで、目の前のハーマイオニーは呆れ顔と驚き顔でオカシな事になっている。


「ね? だから吠えメールっていうの」 「あ・・そ・・・・」



はまた動き出すんじゃないか と、手紙を何度も突いていた。
風で少し動くと、再び僕の後ろに隠れる。

猫みたいだな・・。





















ハーマイオニーが珍しくスキップ気味に教室へ向かっていた。
たしか・・・・闇の魔術に対する防衛術の初授業だよね・・?



「なんでハーマイオニーはあんなに喜んでるの?」
「ギルデロイ・ロックハートの授業だからだよ」
「え!? あの人先生だったの!?」
「知らなかったの?」
「だって先生の席とか見ないし・・・」



確かに。 僕だってまったく見ない。
ていうか目が合うと、良い事がない としか思えないんだよね。


いつもハーマイオニーの隣か僕の隣にがいるのに、今日初めてロンの隣に座っていた。
理由は、僕の隣に何故かウットリしたハーマイオニーが座っているからだ。
まったく・・・迷惑だな。

しかたなくは僕の真後ろの席・・・ つまりロンの隣から僕に質問してくる。




「やぁ、皆さん!闇の魔術に対する防衛術の新しい先生をご紹介します。私です!」





・・・・・・・・・・はぁ? 



いかにもナルシストと言う髪形と笑顔。 後ろのが気味悪がっていて、「うぇ」と悲鳴をあげている。
ロンなんて片方の眉毛が上に行き、片方の眉毛が下に行っていて、気味悪い顔になっていたりもする。

なのに、なぜかハーマイオニーはウットリとし、
急いで前の席を確保した女の子達が悲鳴を上げちゃってる。 どうして、あげられるのだろうか・・?




「ギルデロイ・ロックハート!数々の名誉ある賞を受賞していて、さらに! 闇の魔術に対する防衛術の名誉会員である。"週間魔女"ではチャーミング・スマイル賞を5回も受賞している。・・・まぁ、それは置いておきましょう。授業には関係ない。妖怪バンシーをスマイルで追い払ったわけでもないからな。」


爆笑を狙っているようだったが、笑う人はミーハーは女の子と、そのセリフをバカにした一部の男達だけ。
なんてポカーンとして、息さえしてないみたいに、動かない。




「そうそう! 今日は皆さんが私の本をちゃんと読んでいたのかテストさせてもらいます。なーに簡単ですよ。50問ちょっとの問題だけだから。頑張って解いてくれたまえ」


そういって、テストの束を配り始めた。
付けすぎた手首のコロンがキツくてしょうがない・・・・。



一瞬、先生っぽいな と思った自分がバカだった。
「テストさせてもらいます」までは、なんとか大丈夫そう と思っていたのに、チラッと見ただけで個人的なことが分かった。

テストを渡すときを見て見ると、
内容を見たが、目を点にして驚いていたから。 ロンなんて書く気すらないみたい。




「では、始め」



裏返していたテストを表にする。
・・・・・・・これがテスト?