CHAMBER OF SECRETS....14
あれからは、
双子に引っ張られたり、オリバーに引っ張られたり、ハリーに会えないと泣きじゃくったりして、
ぐったりと眠ってしまった。
グリフィンドールのソファの前で。
「、女子寮に行くわよ。こんな所で寝たら風邪引いちゃうわ」
「んー・・ッ!」
パーシーがかけたマントをぎゅっと握って、マントの中に隠れるように丸くなる。
「猫じゃないんだから・・」
「此処で寝かせてあげれば良いだろう?」
「あのね・・・アンタ達がホグワーツ特急に乗り遅れて、を心配させたからでしょ!ハリーの名前を何回連呼されたと思ってるの?腹が立つほど聞かされたのに!」
「僕に言われても・・」
「貴方達のせいでしょ!!」
ハーマイオニーの甲高い声が、僕らの鼓膜を刺激して痛くなる。
「フレッドとジョージに告白させられるし、オリバーにも告白されるし、2人に引っ張られまくるし・・・」
「「は!?」」
「な、なによ・・・」
「告白された!?」
「えぇ、されてたわ。本人に聞いたんだから間違いない。」
僕らの口が・・・アゴが外れたかのように開く。
「気持ち悪いわね・・・奥歯まで見せないでよ」
「見せたくて開いてない・・・僕だってまだ告白してないのに・・・」
「"僕だって?"」
「あ・・違う・・・言葉のアヤ」
頭の中が混乱してきた。
が盗られる様な感覚が、僕の背中にドガッと当たってくる。
ナイフみたいに鋭くない。 だけど、切られたような感覚。
あー・・自分で何いってるかもわかんなくなってきた。
「・・・起きて」
「ちょ・・ハリー・・・寝かしとけっていったのは、貴方でしょ!」
「僕の家族だから、僕が決める!」
パーシーのマントを引っ張ると、寒そうに、もっと小さく丸まる。
僕はパーシーのマント っていうのに、すっごい嫌になって、床にたたきつける。
そして、自分のマントをに巻きつかせて、軽いを持ち上げる。
「ちょ・・何処に連れて行く気?」
「僕の部屋」
「は?」
「男子寮には入れられないって!」
「僕はと毎日寝ていたんだ! 減点されても、クィディッチで戻してやる」
「むちゃくちゃな・・・」
「僕ら兄妹の間に入ってくるな!」
何時もの僕じゃないみたいに。
嫉妬だけで動かされた人間みたいに。
12年間、ずっとだけを見てきた。ずっと、僕がを守って、抱きしめてきた。
誰も僕たちの間に入ってこないで。 僕とだけの世界に、入ってこないで。
と、僕だけの世界にならないかな。そしたら、は絶対僕に振り向いてくれるから。
僕がを連れて部屋に入ったとき、シェーマスもネビルも驚いて叫びかけていた。
でも僕は無視して、ベットの中にを入れて、僕もベットの中に入って、を抱きしめる。
「んー・・・ッ・・」
「・・ッ!」
抱きしめると、抱きしめ返す。
僕の体より2廻りほど小さいの体は存在を無くすほど、小さい。
シャンプーなのか、の体臭なのか。僕が一番落ち着く匂いが僕の体に流れ込む。
どうしてなのか。
こんなに嫉妬するなんて。
やっぱり、を愛おしく思っているからなんだろうな。