CHAMBER OF SECRETS....12
あれから8日ぐらい、ウィーズリー家に泊まらして貰って、やっとホグワーツに戻れる日!
あの青くて空飛ぶ車に全員で乗って、キングス・クロス駅に向かった。
狭い車なのに、何人でも座れるように座席が延びた。
周りから見れば、ただのギュウギュウ詰めされた家族なのに。
やっぱり、魔法って凄い!
「10:57分!皆急げ!」
「あと3分しかない!早く!荷物を持って!さぁ、早く!」
余裕もって行きたかったのに、ロンの寝坊で・・・もぉーーー・・ッ!!
髪は完全に寝癖がついていて、ボタンは付いてないのが2箇所あるし・・最悪!
「フレッドとジョージ、パーシー!お前達は足が速いんだからペースを合わせず先に行け!」
「「OK」」
大急ぎで走りながら、壁を通り抜ける三人。
ジニーも背中を押されながらも入って、次は私。
「ハリー・・早くきてよ。」
「あぁ、行くから早く!」
ブツからないのを祈りながら通る。
やっぱり痛みはまったくない。ただ早歩きをしていて、景色が変わるだけ。
「何回やっても不思議・・・あれ?」
すぐ来るって言ったのに、ハリーもロンも来る気配が無い。
壁を叩いてみれば、さっきみたいに通り抜けられなく、ただの硬い壁。
「嘘・・2人ともきてない!!」
「早くしないと乗り遅れるぜ!」
「、早く!」
「ハリーが来てないの・・通り抜け出来なかったみたい・・・」
「大丈夫だって。此処はブツかり防止用に別場所へワープ出来るようになってるんだから!」
「早く!」
引っ張られながら、荷物置き場に荷物を放り投げ、汽車の中に飛び乗る。
「ねぇ・・ハリーは? ハリーは何処!?」
「わかんない・・・別の所から入ったんじゃねぇの?」
「でも、・・・でもぉ・・・」
「、もうハリーからは卒業しろよ」
「はいっつもハリーの事ばっかで、親離れ出来ない子供みたいだぜ?」
「私に両親なんていないもん・・・ハリーだけが唯一の家族なんだもん!」
「その家族に、いちいちベタベタするのもどうかと思うぜ?」
「ハリーだって良い年頃だ。気になる女の子が出来たのににくっ付かれちゃ、なんの行動も出来やしないし」
フレッドの言葉が、何故かグサッと突き刺さってきた。
声にならないような衝撃が胸に突き刺さった。
「そんな事まで言わなくたって良いじゃない!」
殴ろうとは思わなかったけど、手が勝手に動いて、フレッドの頬に当たった。
「離れられてないのはそっちだってそうじゃない!いっつもジョージとばっかり一緒にいて、女の子には何にもしないじゃん!」
痛そう。
叩いてしまった頬は赤々として、少し腫れている。
「だって俺達の事好きなんだもん」
「お互い、正々堂々とアタックする事にしたから、に会うときは絶対一緒に居るわけ」
「そりゃ俺達だって毎日一緒に居るわけないだろ?」
「「ホモりたくねぇもん」」
揃えて言った声は、いつもより2倍ぐらい低くて、こう・・・響いてくる感じがした。
なんて返したら良いんだろう。
告白っていうのかな、こういうのって。
2人に・・どうやって返事をすればいいのか、まったくと言ってわからない。
私と同じ目線になろうと、しゃがんで来るジョージの目線がイタイ。
上から眺めるように見てくるフレッドの目線がイタイ。
「わ、私・・・ハリーを探してくる!」
逃げた。
卑怯だとはすっごい思ったけど、廊下を逃げるように走り去る。
一番と奥のコンパートメントに入ろ。
2人が"ワープ"したなんて言ったけど、絶対嘘。私を置いていかないように付いた嘘だ。
寂しいけど・・・・2人の顔を見るよりかは、いいや。