CHAMBER OF SECRETS....11
「あ・・ドラコ」
そそくさと逃げていた私の真横にいるドラコ。
まぁ、正確に言えば、階段の数段上から本を読みながら私を見ているドラコ。
「久しぶりだな」
「元気そうね。ほっぺに怪我してるけど大丈夫?」
「あぁ。勝っているドェルターナっていう猫に引っかかれてね」
「普通の?」
「僕はマグルにいるような猫は飼わない。この猫は喋るんだよ」
「わぁ・・・すっごい・・今度見に行っても良いかしら?」
「あぁ、いつでも歓迎するよ」
楽しそうに喋る私達の後ろから歩いてくるハリー。
どす黒いオーラが見える気が・・
「おぉ、ポッター!久しぶりだな。お前は何処に行っても有名人。お偉くなったもんだなぁ!」
「これ、ドラコ・・・失礼な事をするではない」
ドラコの後ろから出てきたのは、いかにも人を蔑んだような顔の髪の長い男の人。
絶対ドラコの父親だって・・・・
「はじめましてポッター、。ルシウス・マルフォイです。以後お見知りおきを。」
差し出された手には分厚い皮と、オイルを塗ったようなテカテカに光った手のひら。
握りたくないけど・・・・この場合はしょうがない・・
「おぉ・・・彼女が持っている教科書は偉く汚いな・・・君はウィーズリー家の子だろう?赤毛にブツブツしたそばかす。100%間違いない」
ジニーの鞄の中にある教科書を引っ張り出して、嫌みったらしく言う。
再び鞄の中に入れようとした時、腕元からもう一冊の本が出てきたような気がした。
黒くて少しばかり小さい本。
気のせい・・・かな?
「君達の父上に言っておきたまえ。"役所でまた会おう"と。」
マントをバサッと優雅に見せるように靡かせながら歩く。
その後ろをドラコが付いて。
「じゃぁな」
「ホグワーツでね・・」
ハリー達には眉間にシワを寄せながら見るのに、私だけには微笑みを見せながら去るドラコ。
そんなに私の顔可笑しかった・・?
「「・・・・あームカツク!」」
「ワッ!」
後ろから突然の大きな二つの声に、驚いてしまった。
声を揃えてスピーカーみたいに喋らなくても・・・
「なんなんだよ、あのルシウス・マルフォイって奴は!」
「マルフォイと性格が似すぎて余計にうぜぇ!」
今から牙でも生えそうな勢いで口を開いて叫ぶ。
「んー・・なんかあの人、他の所でも見たことあるような気がするんだよなぁ・・」
「あんな奴と前にも会った!?かー・・最悪だな。絶対忘れるべきさ!」
「ムシャクシャし過ぎて、フィルチにクソ爆弾を投げてやりたい!」
「フィルチ先生可哀想だって・・・」
「「アイツはいいの!」」
「あ・・そう・・・・」