CHAMBER OF SECRETS....10












、どうしたの・・・すっごい服汚れてる」
「ハリーだって!」


お互いの服は汚れまくっていて、顔にも二〜三箇所傷と泥。



「メガネ割れてるよ?」
「大丈夫。後でハーマイオニーが直してくれるって?」
「ハーマイオニーが修理するの?」
「呪文よ。こんな感じに・・・"オキュラス・レパロ"!」


ハリーに杖を向けたと思ったら、変な音を立てながら、眼鏡が直る。



「すごい・・・」
「その呪文早く覚えないといけないや」
「あ、早く。皆心配してたわ!」


私とハリーの腕を引っ張って、大きな本屋に入れられる。
中は、何冊も重なっている本や、8m上まで段がある本棚。
この本全部買うだけで何億いるんだろ・・・不思議!




「あら、とハリー!遠くへいったんじゃないかって心配してたのよ!もう心配かけちゃって!」


私の服とハリーの服を交互に叩いて、ゴミを落とす。
初めてされた、お母さん業。
なにげなくしてくれる作業が、初めてなのもあり、羨ましいと思っていたから、胸に込み上げてくるものがある。







「皆さん、お待たせいたしました!ギルデロイ・ロックハートの登場です!」


騒音のような声が本屋内に響く。
奥のほうから出てきたのは、頭がクリンクリンの金髪で、真っ青なセンスの悪い服装。


「ママとジニーが夢中なんだよ」
「うそ・・・何処が?」


私には理解できない。
元々芸能人とか、格好良い男の子とかに興味がなかったせいか、なんとも思わない。
ていうか・・・思いたくない。



「と、通して!日刊予言者新聞に載せるんだから!」


背中を押された。汚い服装に、細っこい体。
ジョージの所まで飛ばされたじゃないの。



「イタタタタ・・・」
「大丈夫かな、そこのお嬢さん。おや・・・君はだね!その奥にいるのは、ハリー・ポッターだ!」


そんな大きな声で名前を呼ばなくても・・・。
うぅ・・皆の目線が痛い!


!ハリー!早く前へ! ギルデロイさんとの写真を!」


無理矢理、日刊予言者新聞の人に引っ張られて、ゲルデロイかグルデエイか知らないヤツの元まで飛ばされる。
そしたら、この男が私達を捕まえて、ニッコリ笑顔でポーズを取る。
なにがしたいんだか・・・


「笑って。一面トップになれるんだから!」
「「なりたくないし・・・」」
「はい、スマーイルv」



・・・・なにがスマーイルv だ。
大の大人が何やってるんだろ・・・・。 呆れた。


「この子達が、私の本・・・"私はマジックだ"を買いに来ました。この本は27週連続のトップ本・・手に入れる方が困難だろう・・・此処でこの二人に会えたのも運命だ!私の本をあげる事にしよう。この本だけじゃない!今まで書いて売れてきた本達もね。・・・もちろん、無料で」


目の前にいる女の人がうっとりした目で拍手を送る。
ハーマイオニーまでウットリしちゃってるし・・・。



「あ・・・どうも」
「コチラは可愛いお嬢さんだなぁ!僕の娘として養子に来ないか?」
「え・・遠慮します!・・・本は、有難うございました!」


貰った本を抱えながら一礼して、そそくさと逃げた。
なんか寒気がするし、私の一番苦手なタイプだもん・・・・あー・・ヤダヤダ。



、その本ちょっと貸してくれない?」
「え?」
「あのお方のサインを貰うの。全冊持ってたら、ほっぺにキスとかされちゃったりして!」


いつも冷静なハーマイオニーが興奮し始めた。
その熱狂に負けた私は、ハーマイオニーに本を貸す。

笑顔で長い行列に並ぶハーマイオニー・・・・
あぁ・・多分、サイン貰った本と私の教科書交換して!って言ってくるだろうから、すぐにOKしよっと・・。



「皆、外で待ってて。私とジニーはサインを貰うから」
「はい・・」


モリーおばさんもハリーの本を借りてサインを貰いにいった。
ロンの分は・・・買ったのかな?