離れたくない.....09













「どうして・・? なんでジョージと別れちゃったの?」
「ケンカでもしたの・・・? 相談にのるよ?」
「ジョージが嫌いになったの。だって・・・・貧乏なのに、私とつるもうとしてるなんて気持ち悪いじゃない。ケビンは格好良くて、頭良くて、悪戯なんかしなくて、守ってくれそうな体つきしてて。ジョージなんか・・・ジョージなんか・・き・・らい・・・だよ・・・!!!」



は、崩れるように泣いた。
を囲んでる子達は慌てていたけど、僕には解ってる。



これはの演技。
演技なんだから、演技なんだから、と自分に言い聞かせる。 じゃないと持たねぇや。























僕はストーカー・・ってほどじゃないけど、を追いかけた。
はただ授業に遅れそうな人が走ってる ってしか思ってないだろうけど。


久しぶりにの肩に触れた。
振り向くときにサラッとした綺麗な髪が指に当たる。


「ジョージ・・・」


私はジョージに心震えた。
久々に真近に見る綺麗な顔に見とれて、私はピクリとも動けない。まだ・・・ジョージに恋してるんだな。



・・・話させて・・嫌いになったんならそれで良い。嫌いな奴としょうがなく話すと思って・・」



ジョージが私に抱きつきながら話す。
私はこの手を振る解くことも、好きという事も出来ない。 筋が通ってない。だけど、何も出来ない。



「フレッドから聞いた。 ・・・だけど、フレッドは悪くない。俺が問いただしたんだ。、なんで親のために・・・ 自分を犠牲にしなくても・・・・俺に経済的なことを言っても無駄だけど、を守って行きたい。 こんな俺じゃダメかな・・・?」


「・・こ・・・言葉では簡単にいえるよ。だけど、私の大切な家族も親戚も、何百人もいる社員。その人達には家族が・・・守る人がいるのよ?拒否すれば・・全員が不幸になる。私がガマンすれば、幸せなまま続けられるの・・・私が甘い事いってられないのッ!!」
「でも・・・自分を傷つけていいとは限らない・・」
「何百人を不幸にするよりかはマシよ。 心を・・・捨てるから。 ジョージとは別れた・・・だけど、辛い時は相談にのってもらうからネ・・・だから、こうやって抱きつくのはやめて・・・・ 思い出したくないの・・」



私はゆるくなったジョージの腕の中から逃げた。


居心地の良い場所だった。少しだけ忘れかけていた感触を、一気に戻された。

ジョージが体に染み付いて、ケビンに染まりかけていた私をきれいにして。



自分が幸せになりたいのは当たり前。
でも、他の人の幸せを考えると・・・・私が犠牲になるしかないんだよ・・・?




ジョージ・・愛してる。本当にこの思いは変わらないから。 貴方を思っているから。


だから、調子を狂わせるようなことはしないで・・・・