離れたくない.....04
私は、涙を流しながらスタスタと先へ進む。
前を見なかったせいか、肩を誰かにブツけてしまった。
「じゃん。 どうしちゃったワケ?」
ジョージと"似てる"じ声、"似てる"顔のフレッド。
似すぎる二人。 だけど、まったく違う。 なのに、フレッドを見るとジョージを思い出す。
溢れる涙を止める事なんて出来やしない。
ジョージに"似てる"フレッドに寄り添ってしまう。
すんなり抱きしめてくれるフレッド。 似すぎだよ・・・・匂いも抱きしめ方も。
さっきのでちょっとだけフっきれたのに・・・・・忘れたいのに。
忘れなきゃ、死んでしまうほど辛いのに。
「・・・・マジでどうしちゃったわけ? ジョージになんか・・・」
「ジョージの名前を出さないで!!!! 聞きたくない!! 大っ嫌いよ・・・嫌い・・・き・・・ら・・」
大きな声で言っても、やっぱり本心で言えない。
嫌いじゃない。 本気で愛してる。 忘れたくないけど、忘れなきゃいけない。
「ジョージが嫌いになった?」
私は小さく首を横に振る。
「どうしたの? ほかに好きな人が出来たわけ?」
首を振る。 ジョージには解ってもらえなくても、"似てる"フレッドには解ってもらおう。
「政略結婚?」
鋭い。 ジョージは分かってくれてるかな。
私は首を立てに触れなかったが、抱きしめる力を増やす。
「はそれで幸せ?」
「ジョージには悪い・・・・けど・・・・私、身内を守らなきゃ。ジョージはモテるから大丈夫・・・私以外にもっと素敵な人がいるわ。」
フレッドの沈黙の中、私は話を続ける。
「頭がおかしいと思われるかもしれない。 ごめんなさい。私はこんな事しか出来ないの。わかってもらえないけど、それが私の生きる道なの。 ありがとう・・・・1%はラクになったわ」
私はフレッドから離れて、逃げる。 フレッドがジョージに見えてきた。
1%楽になっても、99%が地獄。
だれか・・・地獄から救い上げて・・・・・