離れたくない....03








ジョージ・・・・私は如何すれば良いの?
貴方から離れられないし、かといって家族を裏切れない。 両方の笑顔が頭に浮かぶ。


私が選ばなきゃいけないのは、家族。
ジョージには本当に悪いけど・・・ 100人以上の親戚。






ジョージはモテるんだから、私じゃなくても・・・・・









・・・!!」


息を切らして、トボトボ歩いてる私に近付いてくる私。
その笑顔を引き裂かなければならない。


胸が痛い。チクチクいたくて、息が出来ない。



・・?大丈夫? 汗かいてるけど・・・・熱があるんじゃ・・」





ジョージの大きな手が私の額を触る。  無意識に、その手を叩いた。
バシッという音が響き渡る。 私の泣きそうな顔と、驚いたジョージの顔。



「わ・・・たし・・・・・ジョージの事飽き・・ちゃったの。別れてくれない?」




震える右手を一生懸命左手で押さえて、一回もジョージを見れない。



見れない。


見たくない。


見たら、心が押し潰されちゃう。




私は悪役に回る。  身内を裏切れない。










ジョージは強いもんね。  モテるから、私より良い人いっぱいいるよ。


飽きたなんてウソ。  だけど、ウソでも付かないと、きっかけなんて出来ない。


飽きたなんてウソだよ?  ごめんなさい。 もう、顔を見せないで。 悲しくなっちゃうから。








「え・・・?」
「だ・・から・・・・・別れてって言ってんのっ!! 言葉ぐらい聞き取りなさいよ!! 障害者じゃないんだから!!!!」



必死に悪役を演じる。
ヘタかもしれない。 だけど、ヘタでも、別れるキッカケを作らなきゃ。



「何か・・・・言われたの? 親に」
「別に。 ただね、私の本当に好きな人が現れたの。 ジョージはキープなの。わかんなかったの?バカね。 演技だって事わからなかった? 面白かったわ・・・・ジョージの浮かれ顔を見るの。最高だった。だけど、好きな人にキープがいるなんて知られたくないし。 別れて」




頑張った・・・つもり。
昼ドラのマネかもしれないけど、頑張った。



「さよなら、ジョージ」


私は、地面にヘタリ込んでいるジョージの手を軽く踏みつけ、通り過ぎた。



後ろなんて見られない。 貴方の涙なんてみたくない・・・・私だって泣きたいもの。 
さようなら、ジョージ。私。 頑張るからね。






もう一度、キスしたかった・・・・・・