涙の粒が踊る。
一粒ずつだったのに、水溜りになっている。
私はこれほどにも泣いたのか。
泣いていたんだ・・・
優しい言葉が痛くて
聞きたくなくて
もっと 幼ければ わからなかったのに
もっと 幼ければ この胸の痛みを 違う事と思い浮かべてただろうに。
― ― ―
愛しいから、探してしまうのか
はたまた、誰にも渡したくないという独占欲なのか
鎖で封印された 僕の恋心
鎖は頑丈だったはずなのに 切れそうな音が響いてる
逃げないで
早く僕のモノにしたい
誰にも見せない
誰にも教えにない
愛しい愛しい君
今日は僕だけを見て
You may have a grudge
「シリウス、お前に告白したのか?」
「・・・だったら何だって言うんだよ」
「告白したんだな」
なんとも言えない様な顔をするシリウスに、ジェームズは顔をしかめた。
「しかも女子の部屋に入って、何をしてたんだよ!!」
「・・・なんでそんなカッカしてんのさ。お前だって、1年の時だけど俺とリリー達の部屋に侵入したじゃねぇか」
「1年の時と、今じゃあ重みが違うんだよ!!」
「変わらねぇよ」
「お前からしたら、違うだろうなぁ!! 世間一体を考えてみろ! 11歳で誰がチューだエッチだをしてる奴がいるんだよ! だが僕たちはもう魔法界でも大人として認められる年齢なんだから、そりゃあそういう事があったとしても証人がいないんだから、否定も出来ないだろうなぁ!」
「だったらなんだよ、俺とがヤってたとしたら、お前はいちいち文句言わなくて言いだろうが」
「僕は・・・・ッ・・・お前とが宜しくしてたら腹が立つんだ!!」
僕も、自分の気持ちには気付いてる。
だから、面白くない。
邪魔をするな。
僕のモノと言えないもどかしさが、苛立ちを増大させる。
シリウスに迫られ 抵抗しながらも声を荒げる
シリウスに迫られ 求め叫ぶ
シリウスに迫られ 薄くなった酸素量を貰おうと必死になる
その全てが 僕だったらいいのに。
その全てが 僕に向けられたらいいのに。
「ヤってなんかねぇよ・・・そんな簡単に手を出したくない」
その言葉で、頭の血も下がった。
安心感と、紛らわしい事をするシリウスを一発殴りたくなった。
「本当だろうな?」
「あぁ、してねぇよ」
「じゃあ部屋で何してたんだよ」
「告白した」
頬の筋肉がピクッと動いた。
「だから、は顔を赤らめていたんだね」
いた事も忘れていたリーマスが、不敵な笑みといえるような笑顔で言う。
「どういう風に告白したんだよ」
「別に。そういうの友達でも、親友のお前にでも言いたくないもんだろ。聞くなよ」
大体想像できるけど、そんな事をしていたのか と思うと、辛いのか悔しいのかわからない。
「・・・・・を追いかけてくる」
「な・・・シリウス!!」
「ジェームズが行く方がおかしいだろ」
「どうしてさ」
「お前が行っても、どうせ僕みたいにに告白するだけさ。話しの続きをしてくる」
少しクセッ毛の髪を触ったり、少し上がってたセーターを下げたりと、ひっきりなしに体の何処かを触りながら出て行った。
「なんなんだよ・・・ッ!!!」
ジェームズは、ソファでもない地べたに倒れるように座って、頭をかき回した。
「・・・・クソッ・・ッ・・!!!」
声になっても、言葉にはなっていないような事を叫んだ。
何処にいるかなんて、教えてもらってないのに分かる訳がない。
なのに、体はスッと動いての所に歩いていく。
は、そんなに遠くに行ってはいなかった。
泣いてる涙は、首元を這ってワイシャツを濡らし、夏場でも寒い夕方時にの足は鳥肌を立てていた。
「」
ビクンと跳ねる。
こんなに堂々と座っているのに、驚かなくてもいいだろ・・。
真横に座り、が自分で拭こうとした涙を、僕が拭いた。
冷たい涙は僕の指先に残り、じわじわと指全体に浸透してくるように流れた。
「なんで泣くのさ」
「わかんない・・・嬉しいのか、哀しいのか、迷っているのか、どれにでも当てはまりそうだけど、しっくりこないの」
「僕じゃだめなの?」
「ダメとかじゃない・・・でも、シリウスの優しさが胸に突き刺さるみたいで、ちょっと辛い・・・」
地面に生えてる雑草を枝でくりぬいて、草むしり的な事をして、俺と目を合わさない。
「・・・・君はセブルスが好き?」
「えぇ、好きよ。でも、わからなくなってきた。シリウスの優しさが嬉しくて・・・だから不安なの。自分の気持ちが分からない・・・・ねぇ、私の好きな人って誰?」
「俺って事にしちゃう?」
草むしりしていた手を掴んで、身を乗り出しながらキスをした。特に甘いわけでもなく、キスが上手なわけでもないのに。
愛しい。
「・・・ぁ・・ッ・・・ふ・・」
「声、出さないでよ・・・」
涙で濡れた唇は、少ししょっぱくて。
でももうの口の中から出たものか、涙かわからない。
肘部分のシャツの掴むの手は、握力も無くって、ただ小刻みに震えている。
緊張か、恐怖なのか――
唇を離すと、は何度か深呼吸をしたまま、震えた手で僕の手を掴んだ。
何か言いたそうだ。
でも、聞きたくない・・・・。
「・・・・ゃッ・・」
吸血鬼が血を吸うように、の首に吸い付いた。
紅く 紅く 残れ。
皆が気付けばいい。
のシャンプーに使われる、フルーツの香りが鼻を刺激する。
「痛いってば・・・シリウス・・・ッ!!」
口を離すと、薄暗いのに首に残る罪の証。
紅 い 薔 薇
甘 い 罪 の 証
薔 薇 に 囚 わ れ た 君 は
な ん て 美 し い ん だ ろ う
終わっちまえ!!!(←
えぇ、無駄に難しいバトンタッチです(ウハ
シリウス夢なのか、ジェームズ夢なのか・・・親友同士に欲しがられるヒロイン。
羨ましいね、コンチキショウ!!(≧∀≦)
文力が無い亜依で申し訳ございません。
2009/7/27 亜依