Good-bye, darling you












「ハリー、大好き!」
「僕もだよ!」




僕達はただのカップルだった。君は僕を愛し、僕は君を愛す。ホグワーツでもマグル界でも当たり前にいるただのカップル。
毎日見ていたい君がこの一週間姿を見せない。同室のハーマイオニーに聞いても、姿を見せないらしい。




「ダンブルドア先生、を見ませんでしたか・・?」
か・・・なら医務室にいるぞ」



ダンブルドア先生の言葉でほっとした。僕の前からいなくなったのかと思った。僕は走って医務室へ向かった。


″バンッ!″

思いっきり扉を開けた。




「Mr.ポッター!静かにしなさい!!」



マダム・フーチに怒られた。僕は軽く頭を下げて、を探した。
一番奥のベットにが座っていて、軽くご飯を食べていた。



!」
「ハリー!!」



僕はすぐさまの所へ走って行き、の体をぎゅっと掴んだ。

「会いたかったよ、!一週間も姿を見せないから、すっごい心配していたんだ!!」

僕がぎゅっとを掴むと、は苦しそうだった。




「ゴホゴホッ!・・ゴホッ!!」



が尋常じゃないセキをしたので、僕はとっさにはなれた。



・・・大丈夫?」
「大丈・・・夫・・」



口では強がっているけど、全然大丈夫じゃない。



「まぁ!!」



マダム・ポンフリーがの所へ走ってきて、背中をさすったりしていた。薬を取り出し、に飲ませていた。

「先生、ってなんかの病気なんですか・・?」
「大丈夫です。ポッターもう遅いですから寮に帰りなさい。」
は帰れないんですか・・?」
「帰るどころか動けません。」



動けない・・?それほど重病なのか・・?



「動けないってどう言う事なんですか!!」



「動いたら体に悪いって事です!」


僕はマダム・ポンフリーに追い出されてしまった。

















僕はの事が気になって、僕は夜、透明マントを被り、こっそり医務室へ向かった。
医務室に入った途端、いろいろな先生がの周りに集まっていた。



「ポンフリー。の状態はどうなんじゃ?」
「多分、明日か今日までが限界でしょう。は結構体力を使っています。もう限界ですね」




なにが限界なんだよ・・



「ポンフリー・・・は死んでしまうと言う事なんですか?」

マクゴナガル先生の言葉で思考が止まった。が死ぬ・・・?しかも明日か今日・・・嘘だろ・・・


!!」




僕は透明マントを脱ぎ捨てて、の所へ向かった。



「ポッター!!」「ハリー!」


先生の言葉が聞こえるけど、僕はをぎゅっと抱きしめた。



「何をやっているんだ、ポッター!!」


スネイプが僕をから離させようとしているが、僕は離れなかった。



「減点するぞ!!」
「減点ぐらいどうって事ないです!と二度と会えなくなるよりかは全然マシです!!」



僕の言葉でスネイプの動きが止まった。



「ん・・」


が起きた。僕が大声を出したからだろう。



「ハリー・・・?」
・・・大丈夫?」
「大丈夫よ・・・どうしたのハリー?」


今気付いた。はこんなにも青白い顔をしていて、こんなにもほっそりしている。
僕はをぎゅっと抱きしめた。そして、泣いてしまった。


「どうしたの・・ハリー・・・」
「僕からはなれて行かないでよ。ずっと、僕のそばにいてくれよ・・・」
「なんでそんな事を言うの?私は此処にいるし、離れないよ・・・?」




はまだ知らされてないのだろう。病人が死ぬ事を教えられると、一気に気力がなくなって早く死ぬらしいし。



「先生、僕、ここにいていいですか・・?」
「ダメです!」
「ポンフリー。いいじゃないか。ハリー、今日はに付いていてやってくれ」
「しかし、先生!」
「いいじゃないか、ポンフリー」




マダム・ポンフリーは渋々OKした。
先生達は医務室から出て行った。僕は近くにおいてあったイスを持ってきて、のそばに座った。


、愛してる」
「ど、どうしたのよ・・きゅ、急に・・・」
「お願いだから、僕から離れないで・・・」
「どうしたのよ急に・・・・私は此処にいるわ」
がいなくなったら僕はどうすればいいんだ・・・・」




僕はの手を掴んで、下を向いたまま泣いてしまった。こんなにも愛しているがいなくなるなんて考えられない。

の少しひんやりした手が僕の頬を掴む。少し僕の顔を上に向けてきて、の柔らかな唇が僕の唇が重なる。少し震えながらだけど、初めてからキスをしてくれた。

の唇が離れたと思ったら、の目から涙が出ていた。



「ハリー、私はハリーだけを愛してるの。離れないから、泣かないで・・」



僕がを泣かしてしまった。


「ご、ごめん・・

「ハリー、お願い・・。今日は私の近くにいて・・ね?お願い」




の手が力いっぱい僕の腕を掴んでくる。



「全然良いよ」


僕はが手招きしてくれている、ベットの中へ入った。ベットの中でをぎゅっと抱きしめ、そのまま、僕達は眠りに入った。



「愛してるよ、・・・」


















僕は目覚めた。夜のようにを抱きしめていなくて、僕の二の腕にが寝ていた。


「・・ん・・・」



ここから見える時計は10時半を指差していて、『こんなにも寝てしまったのか!』と思ってしまった。



、起きて・・・・・・もう時間だよ・・



いくらさすってもが起きない。


「悪い冗談やめてよね〜。ほら、起きて!」


僕はの冗談だと思った。
バレた?」と笑いながら起き上がってくるのを期待していた。だけど、全然起きてこないし、すっごい青ざめている。



・・・?冗談はやめてよ・・・もう起きていいからさっ!ねぇ・・・ねぇ・・」



ほっぺに手を当ててみると、氷のように冷たい。死んでる・・・?


・・・・・!!!起きて!!!!!!」




揺らしても揺らしてもは起きなかった。マダム・ポンフローの言葉を思い出した。『明日か今日までが限界でしょう』嘘だろ・・?



「死んじゃったの・・?離れないって言ったじゃないか・・・・」



僕は涙を堪えながら、を抱きしめた。だけど、涙を堪えようとしても、大粒の涙が出てくる。先ほどまで血が通っていたには暖かさも、優しい匂いも、なーんにも感じない。


 ″クシャ″



僕との間に可愛らしい封筒があった。僕はを抱きしめながら封筒を見た。
表には″世界で一番愛してるハリーへ″裏には″より″と可愛らしい字で書いてある。

中を空けてみると一枚の紙が入っていた。僕はその紙を開いてみた。




″世界で一番大好きなハリーへ


 私はちょっと前から自分が死ぬ事を薄々感じていました。
 死ぬのは本当に怖いんだ。魔法界でもマグル界でも治らない病気なんだ。
 すっごい怖い。死にたくない。まだハリーと触れ合っていたい。
 だけど、もう手遅れなんだ。だから、ハリーに伝えておきます。
 私はたった数年しか生きていないけど、その中で一番ハリーが好きです。(家族も大好きだけどねv)

ハリーはいつも私のそばにいて、悲しい時は抱きしめてくれて、嬉しい時は一緒に喜んでくれて。
本当に嬉しかった。もうすぐ、会えなくなる。でもね、ハリー。
私は十分ハリーにこの思いを伝えたつもり。くいなんてない。あるとしたら、ずーっと一緒にいられなかった事かな?

私、天国行けるかな?ハリーが何十年後に天国に来て、一緒に暮らせるかな?
生まれ変わったらまた愛し合えるかな?その事を考えると怖いけど、希望を持って、旅立とうと思います。


ずっとハリーを愛しています。私の事、忘れないでね。愛してるわ、ハリー


                 より ″




の涙の痕があちこち見えた。僕はある事を決意した。一人で天国なんて行かせない。僕も一緒についていく。

バカな事を考えているのはわかってる。でも、僕の中では正論なんだ。


胸ポケットから杖を取り出し、自分に向けた。最後に、にチュッとキスをした。



「アバダ・ケタブラ」




自分で唱えた瞬間、意識を失った。
少し時間がたった後、僕は宙に浮いていて、下には僕とがいる。遺体だ。






   ″ピカッ″



真上が光り始めたので、僕は見上げた。そこには光り輝いているがいる。が手招きをしていて、僕はその場へ向かった。

二度と戻ることが出来ない、死人の国、天国。
だけど、がいるなら僕は構わない。天国にはもお父さんもお母さんもいる。僕には幸せの国なんだ。


ハーマイオニー、ロン、先立つ僕を許してね。僕はと見守ってあげるからさ。