「おい見ろよ、フィルチの奴。また雑用やらされてるぞ」
「すっげー暇そうvヤっちゃうか?」
「ヤっちゃいましょう!」
「んじゃぁ、今日はがクソ爆弾投げてよ」
「はぁー!?なんで私から!?どうせ、私が投げた途端逃げる気でしょ?」
「そ、そんな事無いさ!(うわ・・・見切られてる・・・)」
「じゃぁ、ジョージから投げてもらっても別に良いわよねv」
「え!?俺!?俺関係ねぇじゃ・・・」
「良いわよね?(ニッコリ」
「オ・・・オッケー」
ジョージはすぐさま後ろを向いて、クソ爆弾を取り出し、フィルチへと投げ出した。
片付いて部屋は埃が舞い、本や羊皮紙がばら撒かれた。
フィルチがプルプル震えているのを確認して、俺達は一気に走り出した。
フィルチが震えだすと、すぐさま追いかけてくる。そんな事、俺達にとっては常識!
「待たんかい!そこのクソ餓鬼どもめぇーー!!!」
フィルチからもう200m以上離れているので、あの老いぼれが追いつける訳も無く、すぐ諦めたようだ。
俺達は、ホグワーツ城から離れ、原っぱへと寝っ転がった。
「あーもう最高!」
「フィルチの顔と来たら、そりゃもう傑作物だ!しかも、あの走り方!」
「なにをどうしたらその走り方になるんだっつーの!」
「「「アハハハハ!!」」」
僕達はいつもこんな毎日を過ごしていた。
イタズラをしては先生から逃げ、原っぱへ行き大笑いをする。
とは同じ学年で、最初は僕たちのイタズラに関心が持てなかったみたいだけど、一回やったらハマっちゃったみたいで、
それからずっとと一緒にイタズラをしている。僕達はそんなを好きになっていった。の気持ちは知らないけど、お互い通じ合ってると思った。
「そういえば今度ダンスパーティーがあるよね!」
がそう話し出した時、僕達はチャンス!と思った。誘える!そして、は必ずOKしてくれると思っていた。
「私ね、あのビクトール・クラムに申し込まれたの!!」
原っぱに寝っ転がらしていた体を一気におき上げて、を見た。本当にショックだった。と行くのは僕たちだと思っていたから。
「ビクトールったら私の事、始めてみた時に好きになったって言ってくれたの!素敵!あんなにカッコイイ人に告白されるなんて!」
はもう浮かれていて、ちょっと顔を赤らめていた。
の顔が赤らめているのを見たのは、これで3回目だ・・・・。
一回目はホグワーツの入学式の時。二回目はレイブンクローの一歳年上の人の事を好きになって。(まぁ僕らがに嘘を教えて嫌いにさせたけど
三回目は僕達のためにあるのだと思っていた。三度目の正直として。なのに、ビクトール・クラムなんかに盗られてしまった。
「さ・・・」
「ん?何フレッド?」
「クラムと行くのやめたら?」
「はぁ?何言ってるの!?」
「僕も思う。やめたら?」
「ジョージまで!あのね、世界一のシーカーに誘われて断る女がいるとでも思ってるの!?私は断る気なんてサラサラないわ!!」
「クラムなんてただゴツイだけだろ?」
「そーさ。僕達の方が断然カッコイイ!」
「自惚れるのもいい加減にして。クラムはカッコいいわ! 私をちゃんと女として見てくれてるし、誰かさん達みたいに、バカみたいな事しないわ!」
「バカみたいとは何だよ!!!」
「俺達はイタズラに命を掛けているんだ!将来イタズラ専門店を作るのが夢なのに!」
「イタズラ専門店?バカ言わないでよ。皆、貴方達みたいに暇じゃないわ!さようなら。私、ビクトールの所へ行ってお話してくるわ。2人といると時間の無駄だもの!!」
は立ち上がって、ホグワーツ城に戻っていった。<少し小走りで、手で目を擦っているのがわかった。
こんなつもりじゃなかった。僕達はイタズラみたいにちゃんと出来ないんだ。
とクラムがお似合いだって野はわかるさ、美男美女だし。だけど、クラムなんかにを渡したくない。わかってくれると思ったけど・・・言葉はちゃんと君に伝えなくて・・・・
「「クソ・・・クソォ・・・・」」
僕達は原っぱで泣いた。少し肌寒い季節なのに、ずーっと。夜まで。
「おい、フレッド!ジョージ!」
談話室に入った途端、リーに呼び止められた。
「お前等、と行くんじゃなかったのかよ。、クラムと行くらしいじゃねぇか」
痛い所突いてくるな、コイツ・・・。
「しかも、今日一緒に食事までしちゃって!マジカップルみたいだったぞ。なんかあったのかよ?」
「・・・に気持ちを伝えられなかっただけさ」
「すぐ仲良くなるから安心しろ」
「そう来なくっちゃ!早く仲直りしろよ!」
俺達は必死に笑顔を作り、リーとハイタッチをし、別れた。多分顔、引きつってただろうなー・・・。
「なぁジョージ」
「なんだよ」
「早く誘えばよかったなぁ・・・・」
「だよなぁ・・・・」
あれからすぐ、ダンスパーティーの日になった。俺等は相手は決めたけど、踊る気になんてなれない。
パートナーを談話室前で待っているとき、遠くがざわめいているのがわかった。
「「(・・・・なんだろ・・・)」」
声がするほうを見ると、がいた。今までに見たこと無い綺麗さと、オーラで周りがざわめいていた。
「「・・・・」」
「あら、フレッド、ジョージ。私、いまからクラムと踊ってくるから。じゃ」
はそう言って僕たちの前から去って行った。背中が開いている大胆な服でクラムと踊るのだろうか・・・。
綺麗な背中を会ったばっかりのクラムが触るのだろうか。 引き止めたくても引き止められなかった。
パーティーの一番初めにクラム率いる代表選手が踊り始めた。
がクラムと踊っていてすごく楽しそうにしている。久しぶりに見たの笑顔がとても楽しそうだった。
僕たちも踊り始めたけど、が気になって仕方が無かった。
「さすがクラム!」
「それほどにも無いよ」
ダンスに疲れて、近くの椅子に座って話していた。途中クラムが離れた事に気がついて、僕達はに近づいた。
「、ちょっといいかな?」
「なによ?」
「僕たちの話を聞いてくれない?」
「またクラムの悪口?」
「「そんなんじゃない!」」
「だったら早く言ってよ。クラムが戻ってきちゃう」
「あ・・・あのさ・・・」
「僕たちさ・・・あのー・・・」
「何?」
沈黙が続いた。は呆れた顔をして、僕たちを見た。僕達は早く伝えようとした。
胸が高鳴って、手も震えた。
「本当になんなの?」
の顔が不満げに僕たちを見つめている。僕達はふぅーと大きな溜息を突いて、大きく息を吸い込んだ。
「俺達さ、」
「の事」
も気付いただろう。顔が赤らいでいる。
「「俺達さ、の事好きなんだ」」