ヒト、ときどきイヌ....02
「え・・ウッソぉ・・二人がイヌ?」
しゃがみ気味で2人(?)の顔を覗く。
・・・・・別に何も行動しない。
2人がただそこら辺にいるイヌをさらって来て此処に置いてるだけかもしれない。
心配している私を見て笑いのネタにしてやろうって魂胆?
その手には・・乗るもんかッ!
逃げるように脱衣所に移動して、服を適当に着る。
上にあるモノからとったせいで、少しダサイけど、まぁいいか。
「絶対騙されないよー!」
そういいながらも、ちょっと気になる。
チラチラとイヌ達の姿を見る。
「だ、騙されないからね! フレッド!ジョージ!今なら許してあげるから、早く出てきなさいよ!」
自分がパニックになっているのがわかった。
だから、ジュースでも飲もうかな と思い一瞬だけ2人に後姿を向けた。
「あれ・・・皿ばっか・・コップとか何処にあるのよ・・」
"ドンッ"
"バンッ"
「や、何ッ!?」
後ろを振り向いてみれば、モクモクと煙が出てきて。
キッチンの台越しに見える赤い髪の頭が2つ。
「ジョージ・・・フレッド・・?」
少し体を前のめりにして姿を確認する。
「ゲホ・・ッ なんなんだよこの煙!」
「イヌになったと思ったら次は煙まみれかよ!」
「くっさぁー・・・」
「オエッ・・」
「なんでそんな所に・・」
「フレッドがクシャミをして、ツバが飛び散ってきて、避けようとしたら上から鍋が落ちてきたワケ」
「しかもその鍋の中に入っていたのは・・」
「「新製品 イヌイヌ液」」
「イヌイヌ液?」
「2時間に一回」
「15分間だけイヌになっちゃう液」
キッチンの台を回って、2人の目の前へ向かう。
まだ少しモクモクと煙が出ている。
だんだんと煙が出なくなって・・・
「大丈夫な・・の・・・・・・・」
「「どうしたの?」」
「イヤぁぁあーーーーーッ!!!」
は逃げるようにまた脱衣所に逃げた。
「ちょ・・ちょっと待てよ!」
「ーーッ!」
「いや、来ないで! ヘンタイーーッ!!」
「「なんで僕らが変態なんだよ!」」
「真っ裸なの気付かないわけ!?」
・・・・あ、なるほど。
僕らが全身真っ裸で胡坐かいでどうどうと座っていたから、か。
「僕らのなんて見飽きてるだろ!」
「見たくない・・見たくないーーッ!」
「僕らの仲じゃないか!」
「ズボンぐらいはいてよ!!」